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第15話「トモダチ」


 謎の電波はパインビレッジの入口の吊り橋の方から送信されているようだった。リニアとペッパーを残し、ひとり橋へと近付いていく、と。そこに居たのは。
 「…君がマグか」
 褐色の肌に銀髪・緋瞳、異国風…っていうか23世紀の火星植民地あたりでアラブ系移民が着ていそうな衣装に身を包んだ少年は、マグに目をやり不敵に笑う。

 「そ…その声はッ!!」
 「そう、君を呼んでいたのは僕だ」
 「そんなことはずばりどうでもいい! 男だったのかお前ッ!?
 「…それで驚かれても困るんだけど…」

 そう、マグを呼んでいた電波の正体は謎の転校生(?)ユルカだった。物語も終盤にきてようやくの邂逅。余談だがデザイン発表当初、筆者ユルカは女の子で目つきが悪くて胸がなくてええのうとか思っていたのだが(…)、マグ自身は実際会っても女の子と思ってたらしい(攻略本参照)。ソレはまあリニアマーク2(メイドバイ第八帝国の、性格こそリニアかマルチなかんじで実にキュートだが、外見が『どっしょ』のロボみたいなイカス物体。詳しくはエヴォマンガ参照)はおろか布団をさえ本物のリニアと見間違えると云う、実に科学的かつ医学的に分析してみたい目をしているマグ、仕方ないのかもしれないが。

 で、そのユルカの云うに、「リニアの前から消えてほしい」。いきなり出てきてそんなん云うかコラと喧嘩になりかけるが、マグはユルカの妙な力でばちんと弾き飛ばされてしまう。
 「なんだなんだこれは! お前さてはエスパーだな!? エスパーならエスパーらしくこんな夜は暇だからと月でも壊してまた直してればいいものを!!
 「いやそれは…何かエスパーというものを微妙に偏って理解していないか君」

 ところでエスパーといえばポケモンのユンゲラーのアレはどうなったのだろう。某スプーン曲げアメリカ人エスパー(電波が怖いので仮名)、自分の超能力で宝探しするとかなんとか云ってたハズだが、案の定見付からないので訴訟起こしたのだろうか。エスパーの癖にせこい人間である。確か超能力は私欲のために使おうとすると無くなるという話しもあるし。

 と、そこへ駆けて来たのはリニア。彼女が間に入ることで、一旦ユルカは退くことになり、またいずこともなく消える。しかし、ユルカをかばうようなリニアに、マグも不信感は拭えない。

 「なんなんだよアイツは!? オレがフレンドリーかつスマイリーに挨拶したと云うにいきなり攻撃してきて!! やはり宇宙親善大使とのファーストコンタクトはオレ以外には荷が重いのか…(エヴォエヴォ日記エヴォ1編第7話参照)」
 「………」(←いろいろな意味で掛ける言葉のないリニア


 という訳で、カルカーノの部屋(ど真ん中に落とし穴がある例の部屋)再び。カルカーノ、ぷんすかやってるマグと落ち込んでるリニアを見ただけで何があったのか悟ったらしい。さすが中年
 「まあ何があったのか知らんが、とりあえず今日は泊まっていけや」
 「うん…はッ!? しかしお前確か『子供好き』かつ『ホモ』と云う、実にオレにとってのみ超デンジャラスな設定があったハズ!? そんな『泊まっていけ』なんてもしやエヴォサークルにショタやおい系の割合を倍増させる気か!?
 「だからそのネタはもう忘れろよ!!」

 まあ(たぶん)何事もなく、夜は明ける。んで、カルカーノに「盗賊リュック」(『冒険リュック』同様、持てるアイテム量が更に増える)と「盗賊のあかし」(パインビレッジのパスみたいなもの)を貰い、今日はお別れ、一路戻るはミューゼヴィル。例によってホワイトヘッドのじーさんが頭の三度笠も飛びそうな勢いで驚いてくれる。
 「いやよもやあのカルカーノからアイテムを全部取り返してくれるとは!(←どうでもいいが毎回その『期待してなかったのにのう』というかんじの言い方はなんなのか)それで、カルカーノは…?」
 「あー、改心して今まで盗んだアイテムも返すようなこと云ってたし、しばらく更正のチャンスを与えて欲しいんだ」
 といえ、普通に考えたらこれまで散々盗みを働くは列車破壊するわとやってきた盗賊である。「盗んだの返すからゴメン」で済んだらたまに特番でやってる「実録! 大都会の万引きバスター!!」は成り立たなくなってしまう…


そう見えすぎる。



 …のだが、ホワイトヘッドはあっさりと、
 「むう…まあよかろ。では報酬を受付で貰ってくれたまえ」
 と云うことで、3人はとっとと部屋を出るが、愛と勇気の冒険野郎マグはともかく、大人の視点から見るとやっぱりヌルい。
 「なんかずいぶんあっさり引き下がってくれたわねえ…裏でもあるのかしら」
 「気にしすぎさペッパー…って、そうだペッパーが居やがるッ!? ああもう報酬の分け前を奪って結果ペッパーのサイフレームパーツ強化する金が無くなるというのにそれさえも厭わないのか君はッ!?
 「ふ…前作から今の今までただ働きだった分! きっちり取り立てさせていただきます」

 なんやハードな展開ですっかり失念していたのだが、ミッションオーバー時にペッパーが居たため、もう駄目であった。かくして分け前をごっそり持って行かれてしまい、泣きながら今日の冒険は終了となった…が。

 夜はまだ、終わらない。


 次回、ようやっと現れるラストダンジョン! そしてリニアとユルカ、マグの運命は!! あとホワイトヘッドのじーさんにお迎えは来るのか!? 乞うご期待!!


ひとつマエエヴォひとつアト

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