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第54話「土功の怪・その四」


 謎の邪精、例えるなら目玉の親父をぐんと毛深く、かつぐんとマッチョにし、かつ背景にゴゴゴゴとかドドドドとかやたらうるさい擬音が描かれてるような(←いっそうきっつい例えに)土功(どこう)があふれ出てきた扉に主人公が入った途端、扉は音を立てて閉まり、主人公は洞窟に閉じこめられてしまう!! この展開はアレだ、ホラー映画でよくある、ばたんと扉が閉まって押しても引いても開かないのにも関わらず、何故か犯人も一緒にその閉じた扉の中に居ると云う、冷静に考えると実に妙な場面。実は自分も出られないんじゃないのか犯人。

 まあ扉が閉まってしまっても(←…)、帰る分には主人公には飛天功(テレポートの仙術)がある。ソレより早くさくらを助けないと後がとても怖いのでもとい心配なのでダッシュで奥へ…行くと、いつしかそこは人工的な空間に変わっていた。そして狭い部屋の中、土功に囲まれているさくらを発見。

 主人公「うお大丈夫か!?」
 さくら「早く助けて…私ひとりだとリーダー特性が付かないからさっぱり弱いのよ!!」
 主人公「めっちゃ余裕じゃん!?」

 「リーダー特性」と云うのはまあ戦争物の指揮官修正みたいなものである。例えば指揮官が威張るだけの士官学校出の若造だと+5止まりだが、有能かつ信頼されている叩き上げのオヤジだと+20とか、どじでどべでどんくさくて守ってあげたい眼鏡の女の子だと+100とか云うアレである。ちなみにマジでこんなイカス修正のゲームがあったら即買うんでぜひご一報ください。
 この辺、詳しくは攻略ページに書いてあるが、「カオスシード」ではまあ、あるユニットをリーダーにした際にパーティー全員に付くパラメータアップである。パーティーがひとりしかいない状態でも自分自身の特性が付くのだが、さくらの場合は自分に特性が無い。これが、さくらが普段主人公に対するツッコミが毎度やたらきっつい癖にひとりになった途端異常に弱気になる理由である!! こういうのも内弁慶だろうか(←違うだろう)。
 で、リーダーパワーで殺意の波動に目覚めたさくらのお陰でとっとと土功を一掃し、一息つくのだが…。

 主人公「にしても、次から次へとあの邪精ども、どこからわいてくるんだ?」
 さくら「そうそう!! それなんだけど、どうもあの扉の奥が怪しいのよ!! 怪しさレベルで比べるとグランバニアに行く途中のチゾットへの山道に住んでるステキな笑い方をする老婆くらい!!
 主人公「すんません今更そんなん誰も覚えてません」

 あるいはこないだのニュースでやってた、通学路でナタをぶんぶん振り回して捕まったとき「体を鍛えてたのだ」とか言い訳した変な人くらい怪しい。ナタで体の何をどう鍛えてたと云うのか。振り回してたのがバットやヌンチャクや赤い風車ならまだまっとうな言い訳になったろうにナタである。
 ソレはともかくさくらの云う扉だが、この部屋には北と南に扉があり、そのうちの北の扉のことだった。その扉には何か文字が書いてあり…。

 さくら「『蒼宝殿』…この部屋の名前なのかしら?」
 主人公「いやあるいはなんとなく記念に書き残された暴走チーム名のラクガキかもしれん!!(←何故)よし!! 開けてみよう」
 さくら「決断早ッ!!」

 まあ開けないと話しが進まないし…で、扉に手を掛ける主人公だが、しかし扉は開かなかった。

 さくら「やっぱり世の中、なかなか思うようには行かないわね…」
 主人公「なんつーかもうちょっとこの扉…ドアっと気前良く開かないもんかね」
 さくら「……………」
 主人公「……………ゴメン。反省」
 さくら(どんなリアクションを期待してたのかしら…)

 ちなみにここは原文のままです。なんかこう日本人のしかもある一定以上の年齢のしかもサラリーマンのしかもネクタイを頭に巻いてるモードでしか通用しないようなギャグを持ってくるあたりこの男いったい何者なのか。ともあれ不発に終わったギャグはさらっと流し、南の扉を調べると、今度は存外に簡単に開いた。

 主人公「こっちの扉は開くぞ!!」
 さくら(どんなリアクションを期待してたのかしら…)
 主人公「じゃあ行ってみようか!! にしてもあの扉、気になるなあ…仙窟の邪魔な岩盤(第51話参照)ってちょうどあの扉の上あたりだった気がする」
 さくら(どんなリアクションを期待してたのかしら…)
 主人公「しつこいね君も!?」

 しかしここは寺である蘭陽院の地下。おそらくこの部屋も蘭陽院の一部であると推測されるが、ではなんでそんな場所に邪精が居るのか? これは云うなればサクラダファミリア教会に人食いゾンビが居たり出雲大社に貧乏神が居たり少林寺にココリコの細長い方が居たりするようなずいぶん異常な事態ではないのか? 謎は深まるばかりだが、ともあれふたりは扉の先へ進むことにする。階段を上っていくと、いつしか地上部分に出…そして、待ち受けていたのは大僧正だった。ふたりを一喝し、大僧正はズバリ指摘する!!

 大僧正「貴様、洞仙じゃな!!」
 主人公「なわけないだろ!?」
 大僧正「口ではなんとでも言える…が、その身にまとうただならぬ気がお主の正体を物語っておるわ!!」
 主人公「そういうもんかな?」





 そういうもんらしい。ちなみにこれは仙獣を連れてない場合で、仙獣を連れてるともうソレだけでバレバレなので何と言い訳してもステキな無駄である。通学路でナタを振り回して体を以下略なくらいにステキな無駄。処でボクの考えた悪魔の実シリーズに「ムダムダの実」ってのがあるんですがこれはやっぱり駄目でしょうか。食べると時間を止められる悪魔の実(←駄目すぎる)。

 で、話しは地下の蒼宝殿についてに移る。大僧正の云うにあそこは俗人には入ることの禁じられた神聖な部屋だと云うが、現実問題として邪精の巣であることは疑いようもない。しかし、大僧正は頑なだった。

 大僧正「お主ら洞仙を街から追放し、平和な街を取り戻すのじゃ。お主らが居る限り街に平和はこない!!」
 主人公「判らない人だなあ。だから、街を平和にするために俺らが頑張ってるんじゃないか」
 さくら「そうよ、私たちがどんな思いで兵隊サンたちと戦ってるのか判るの!?」
 大僧正「喜んで?」
 さくら「なんでよ!?」
 大僧正「とにかくお主ら洞仙が全て悪い!! もうそれでいいだろう? ズバリ決定!!」
 主人公「決定されても!? でも…お坊さん。あんた、何か隠してないか…?」

 そう…ここまでの話しを見てきても判るように、大僧正はとても怪しかった。しかし自分で書いててなんだがこの筆者の「とても」ってなんかとても変な使い方のような気がとてもするのだがまあ効果なのでとても気にしないでください。

 大僧正「……。お主はここで、ワシによって倒される。それで全ては計画通りじゃ!!」


 風雲急を告げ、ここにきてついに明らかになり始めた大僧正の計画とは!? つづく!!


ひとつマエカオスシードひとつアト

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