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第51話「土功の怪・その一」


 …荒れ果てた大地を、ふたりの兵士が歩いて行く。

 兵士A「ひどいもんだなあ…最近になって急にだろ? 街では妖怪騒ぎまで起こってるらしいし」
 兵士B「大地の荒廃に妖怪騒ぎ…ひょっとして奴等の仕業か?」
 兵士A「奴等って……もしや腰に葉っぱ一枚付けただけの格好で歌って踊れる例の!?
 兵士B「何で!?」
 兵士A「いやなんとなく。大地滅びそうだし妖怪に見えるし。しかし俺、もう土地を変わるのは嫌だよ…」
 兵士B「俺だってそうさ…ようやく手に入れた職場まで片道2時間半の6畳くらいの庭付きのマイホームのローンもあと30年も残ってるのに
 兵士A「すんません俺そこまでの理由はありません」

 この辺の「洞仙は大地を滅ぼす」とか「洞仙は妖怪を使って人々を苦しめる」とか「洞仙は巨大化して火を吹く」とか云う話しはまったくの誤解なのだが、普通の人はソレを信じているのだ。そんな訳で洞仙は兵士や賞金稼ぎとどんどこ戦うハメになる。

 さて兵士たちが去ってしばらくすると、そこに主人公とさくらがテレポートしてきた。荒廃した大地を見、主人公はただ呆然とするが、さくらはどうやら多少の予備知識はあったらしい。しかし今回は久々にプロローグ部分書くんですが、情報量が多いんでめんどくさいっス。

 さくら「ホント…老師が言ってた以上ね」
 主人公「? 老師が? 俺聞いてないけど…なんて言ってたん?」
 さくら「西湘の風水が乱れて異常な気を感じるから、ふたりで行ってこいって…」
 主人公「何ィー!? 俺には西湘で30年に一度の祭りがあるから見物してこいって言ってたくせに!? 騙したな!?」
 さくら「でも命令形で祭りの見物を薦めるってなんかこうすごい怪しくない…?」

 オラもそう思う。で、この荒れた大地がその西湘。ちなみにコレ変換はウチ「西+湘南」と入れてるのでなんかニセ湘南みたいである。例えるなら「シ木目南」(←どんな湘南)。関係ないがよく「サンライト湘南」とか「シュトロハイム南青山」とか云う名前の癖に旭町(←実在の旭町とは関係ありません)にあると云う、なんかまったく地名と脈絡のないアパートが郊外の住宅地にあったりするがアレは何を目指しているのだろう。いずれグレートに進化するのか。あと関係ないが某市でいちばんイカス住所は「新潟市ときめき西」だと思う。あるいは「新潟市はなみずき」。「鼻水」のようで実は違うと云うこのナイスフェイント。

 で、話してるふたりの近くを、ちょっと見たことのない青い毛だらけの妖怪…例えるなら「ドラえもん」に出てくる台風のフー子にムキムキとした手足を付けたような、なんか自分でもスゲェ嫌な例えになったような気がするが、ともあれそんなんがどかどかと電車ゴッコかムカデ競争か勢い余りまくってボブスレーに乗り遅れた選手4人組かなんかみたいにぴっちりみっちり、実に規則正しい歩きで通り過ぎて行った。やはりなんかこの大地、異常である。早急になんとかせねばと、ふたりは西湘の街に向かう…と、やっぱりそこにも妖怪が現れた。この妖怪、しばらくすると大地に吸い込まれるように消えたのだが、やはりこれはおかしい。原因はなんなのか…?

 まあ大地の衰えと邪精(妖怪)はたいがいワンセット。となれば、いつものように仙窟を作って風水の乱れを直し、大地を復活させれば妖怪も出なくなる…ハズ。なので、主人公はとにかく仙窟を作ることに。

 主人公「まずは、大地のつぼを見付けないとな」
 さくら「なんだっけそれ? 西の海の浅瀬に浮かべることで海を干上がらせてほこらに入れるようになるつぼの仲間? 主にミシシッピー川の上流に棲息する?
 主人公「なんで俺はそんな得体の知れないつぼを見付けないといかんのですか。削岩功を使うのにちょうどいい場所を探すんだよ…」

 この「削岩功」ってのは地下に部屋を作る仙術である。地下迷宮を作るにはまず地上から穴を掘らないといけないので、たいていシナリオのプロローグでコレが出てくるのだ。で、その場所を探す中で街の人にイロイロ話しを聞くことに。

 しかし何故、どこの世界でもこの町人と云うヤツは警戒心が無いのだろう。目つきのあまり良くない人間が武器を手に家に押し入ってきてタンスやつぼや本棚や果ては宝箱まで勝手に開けて中のモノを奪っているのを見ているのに、みな特にコレと云うこともなく「この街を出て北に進むとコーミズ村です」とか云うあたり頭とか大丈夫なのか。
 で、このゲームでもソレは似たり寄ったり焼いたり炒めたりで、ある家では老人に「二階にいるのは儂の娘なんじゃが、この前の西湘クイーンとやらに選ばれて以来すっかり人が変わってしまいよって……」などと、なんか人生相談までされる始末。でも昔は通称「説教強盗」と云う、なんか深夜他人の家に侵入し金品を盗んだ上で住人をわざわざ起こし、こんなセキュリティーの甘さで泥棒とか入ったらどうするんだとか説教する強盗が居たそうだが。なんか事実は小説より奇ナリよーキテレツ。
 あとついでにこの娘に話しかけると「どう? 私ってキレイだと思わない?」とか、なんかちょっと前日本全国に出没した口裂け女の決め台詞を放ってくれるのできっとこの女も実は割と妖怪なのだろう(←違)。

 で、つぼを探しつつ西湘の名物、蘭陽院と云う大きな寺の前まで来ると、なんかもうさくらさん飽きたらしい。気怠そうに主人公に文句を云う。

 さくら「こうやって地道に歩いててもラチがあかないと思うのね、あたし。もうちょっとこう、ちゃっちゃっと済ませましょうよ」
 主人公「じゃあ、占ってみるか。ムゥン念力集中!! …………はぁッ!!」
 さくら「ソレはなんかとても占いじゃないような気がするわよ!?

 占いって云ったらもっとこう、星座とか血液型とか動物とか寿司とか家電とかロボットとかモームスとかで占うのが普通だろう(←そうなのか)。でも主人公の気合の先にマジで変な光が集中し、つぼの場所が判明した!! レミラーマみたいである。が、そこは蘭陽院の真ん前。

 さくら「ホントにあそこなの…? 疑う訳じゃないけど…こんな街中で仙窟を作ったら他の人たちに迷惑が…」
 主人公「………でもここなの!!」
 さくら(あたしは気が進まないなあ)

 これは伏線なのだが、ともあれ寺の正面で主人公は削岩功を使い、地下に大穴を開ける!! で、テレポートして龍穴炉(仙窟の心臓部)の部屋に入ると、そこにはまた先刻の妖怪、タイトルにもなってる「土功」がいて、ここは引く訳にはいかないのでバトルスタート。しかしこの時点でふたりともレベル1だわ(レベルは毎回1からスタート)装備もないわ、何よりこの土功のレーザー光線はけっこう痛いので、この戦いではさくらはたいていリタイアするのだった…。
 これを倒してもまた龍穴炉の部屋の南側にある扉から土功が溢れてくるので、もう一度戦うハメになる。ただ先刻の経験値でレベルが上がって「空斬」(真空の刃がぽんぽん跳ね回る超便利な攻撃仙術)が使えるので楽勝だったのだが、さすがに疲れた様子でさくらは溜息。

 で、とりあえず先刻、土功が出てきてこんにちは、小池にハマってさあ大変だった扉(←どんな扉)を調べてみるが、何故か開かなかった。まあ龍脈を復活させて、ソレで「解封呪」(復活した龍脈の力であらゆる封印を解く洞仙の奥義)で開ければイイしーとか、なんか実に行き当たりばったりでサイキンメーカーな(←そんなひみつ道具誰も知りません)考えを主人公が示すと、さくらさんがぷんすか怒る。

 さくら「ちゃんと考えてよお!!」
 主人公「ぬう!? じゃあ…仙窟に怪しい岩盤があっただろ?」
 さくら「『じゃあ』っていったい。でもそんなの、あったかしら…? って云うかあなた今回のシナリオではまだ情報画面(仙窟の状態とか見れる画面)開いてなかったんじゃ…?」
 主人公「言われてみればそうだよな。じゃあ何故俺はそんな情報を知っているんだ……!? 危険ださくら、ここには何か灰色の宇宙人とかがきっと居る……ッ!!

 居ません。この岩盤の話しだが、後で確認すると確かに仙窟の右下の方に、人工的に作られたような四角い空間があるのだ。主人公はそれが怪しいと云うが…。

 さくら「……根拠はあるの?」
 主人公「俺の第六感がささやいているのさ」
 さくら「私の第六感はささやいてないわ」
 主人公(けっこうしつこいな…)

 筆者の考えではソレは主人公が要らんネタを振りまくるからだと思う。


いやでもシックスセンスだし。



 で、さすがにいたたまれなくなった主人公をフォローするようなジャストタイミングで土の部屋神が出現した。「その扉の奥からは、何か異質な、恐ろしいエネルギーを感じます…お気をつけて」と云う彼の言葉を胸に、主人公とさくらは仙窟を作り始めるが……つづく。


ひとつマエカオスシードひとつアト

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