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第19話「そして伝説へ…?」


 さてどむどむと間近に迫る爆発音。
 「これはもう一刻の猶予もなくオレは逃げる! ザ・グッバイ!!」
 「ちょっと待ってよ!? リニアちゃんはどうすんの!!」
 そうである。壁にくくりつけられたままのリニアが居るのだ。しかしこの巡洋艦目下巡航中で逃げる場所もないのに、何故わざわざ壁にくくりつける必要があったのだろう? ていうか何で巡洋艦艦長室だかの壁からにょろりと拘束具が延びているのか。実に謎である。オイゲンの趣味だとしたらさすがだが…とはいえ筆者、巡洋艦などに入ったことはないので、もしかしたらこれは標準装備なのかもしれない。ご存じの方が億万が一いたらぜひ知らせてほしい。

 まぁ鎖自体はあっさりと解け、早速ふたりは元来た道へ駆け出した…がいつの間にかグレもペッパーも居ない。どうやら先に部屋を出たらしいが、薄情な連中である。
 で、先行ったであろうふたりを追って艦長室飛び出した瞬間! それは起こった!! ひときわ大きな爆音と共に、マグとリニアの視界が遮られる!!

 「なんだ!? 何時からこれぁアクションゲームになった!? 自慢じゃないがオレはアクション苦手すぎるぞ!?」
 筆者、アクションゲームでクリアできるの「スーパーマリオ」と「グーニーズ」だけである。「スペランカー」も「マイティボンジャック」も「忍者じゃじゃ丸くん」も「スパルタンX」も…いやよそう、なんだか切なくなってきた。そんななんでスーファミ以降のアクションには手もつけていなかったり。

 さて煙が晴れたとき、そこには何もなかった。ただ床に、奈落へとも通じよう大きな亀裂が口を開けているのみ。となると先を行っていたはずのグレとペッパーは…。
 「そうか…。…人というのは…儚いものだな…」
 「別に死んではいませんぞぼっちゃん!?」
 「うをグレ生きてたのかっ!? じゃあ何か、お前らオレらより軽く10秒は先に逃げ出してたってことかい!?
 所詮人間我が身が一番大切。ともあれこのルートは塞がれてしまったので、グレとペッパーには先にシーオッターのチェインと合流してもらうことにし、マグとリニアは別の脱出口を探しに再び道を引き返す! そして先刻メカオイゲンを倒した場所にてふたりの目にしたのは、
 「あれ…オイゲン、いねぇや」
 そういや倒れたオイゲンほっぽいたまま逃げ出してたような気がする。そして案の定そこには裏口が存在した! おそらくオイゲンもここから逃げ出したのであろう。

初描きチェイン


 手に手をとって駆け出すふたり、狙い違わず巡洋艦のタラップに到達することに成功。
 「これであとはシーオッターに合流すりゃあ、あとは船沈んで帝国に何億ディナールの損害が出ようとオレの知ったこっちゃ」

 しかし。マグの言葉にリニアがようやく笑みを浮かべかけた、そのとき。
 ぱん…という音と共に。
 ゆっくりと、マグは膝をついた。

 「…!!」
 そう、黒煙なびく巡洋艦の甲板からふたりを見下ろすのは。
 「何ィ!? ちょっと待て!! なんでたかがピストーレ一発で倒れられるんだ君はッ!?」(←心の叫びであろう)
 何かオイゲンの方が慌てている。そりゃそうである、先刻までピストーレはおろか戦車砲の直撃にも耐えたマグに対してだ、別にオイゲン、ダメージを期待して撃ったわけではあるまい。ただ自分無視してストーリーが展開するのが寂しかったのであろう。悪役や一話限りのゲストによくみられる症状である。

 「手前ぇ…今これムービーモードだから当たると痛もとい、今まで何人撃ってきたんだその銃で!?」
 「フッ…お前は今までに食ったステーキの枚数を覚えているのか?」
 「きっちり覚えてるわ! ちくしょう貧乏人なめんな!? ぐはっ(吐血)」

 そんな、怪我してんだから無理に叫ばんでも。ともあれその言葉を最期にマグは意識を失い、二度と目覚めることはありませんでした…。


−−「エヴォエヴォ日記」完−−


 「…って、だからゲームブックじゃないんだからいきなり終わるなよ! まずちゃんとエピローグを…」
 「…!?」
 そのとき、ついに臨界に達した核融合炉がメルトダウン現象を起こしたようなそりゃあ別の意味でシャレんならん衝撃が船を襲った!! 船が大きく傾ぐ!! そして…。


 次にマグが目を覚ましたのは、いつものベッドだった。いくらなんでもエンディングばらすわけにもいかんのでここに至る経緯はあえて伏せることにする。小説版には書いてあるけどね。
 というわけで、リニアが実は月からやってきた宇宙人で例の核爆発の際ついにESP能力覚醒、土壇場でいいヤツと化したオイゲンの貴い犠牲の元にマグとふたりだけシーオッターに救助されることに成功、しかし正体がばれた以上もうここに留まるわけにもいかず、リニアはよひょう(人名)の元から去るのだった…などという話しはトップシークレットである。
 「…そんな話しだったっけ?」
 違うと思う。だいたいリニアそこにいるじゃん。しかし、自体はそれ以上に深刻だった。小説版ではここでハッピーうれピーで終わるのだが、ゲームでは違う。さすが「バロック」製作した会社である。

 「ぼっちゃん…お目覚めのところですが、実は」
 そして沈痛な表情のグレが語った言葉とは!! 次回怒濤の急展開!


ひとつマエエヴォひとつアト

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