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第56話「土功の怪・その六」


 その頃地上、西湘。何処からともなく王蒼幻(わんそうげん/14才?/男)がテレポートしてやってきて「ふう……ここらで一休みするとしますか。長旅はさすがにこたえますね」などと実に若者に似合わない独り言を吐いている処を見るに、精神年齢はやっぱり数千才とも数万才とも云われる年に相応らしい。えなりみたいである。が、休もうとしたそこに悲鳴と共に土功(どこう/『ワンピース』のチョッパー最大時のボディと毛の生えた目玉親父のヘッドを持つ実にいやんな外見の化け物)に追われた町娘が走ってくる!! ソレはそうと「町娘」とは云うのに何故「町婆」とか「町息子」とか「町ダディ」と云う言葉はないのか。で、町娘は蒼幻を見ると駆け寄り、その後ろに隠れる。

 町娘「た……助けてください」

 って云うか見た目蒼幻より背が高いんですけどこの町娘。例えるなら小マリオとピーチ姫くらい(←そこまではないだろう)。関係ないが大マリオの頭身とピーチ姫の頭身はなんだか根本的に生物が違うような気がする。ソレを考えるとなんでこんな子供に助けを求めるのかこの町娘、少し怪しい。彼女に蒼幻の秘めたパワーを見抜く力があるとはあんまり思えないのでさてはアレか、「私の代わりに化け物に食われてください」とか云う意味での助けか。そのせいで(?)蒼幻もちょっと冷たい。

 蒼幻「これは…今までに見たことのない化け物ですね」
 町娘「キー!! 助けてって言ってるじゃん!! さあ!!」
 蒼幻「…。安心なさい。はあッ!!」

 で、蒼幻の一撃で土功は消し飛ぶ。礼を云う町娘を遮り、蒼幻は問いかけた。もしかして町娘を助けたのは単に情報を得るためだったのか。さすが蒼幻である。関係ないがルプガナの町でもう遠目に見てモンスターに襲われてるのが判るのに船を必要とする勇者が助けるまで延々と放って置かれる町娘、蒼幻ならきっとあえて助けないで別の方法で船見付けると思う。

 蒼幻「それより今の化け物は? 見たことのない化け物でしたが…それともこの街では珍しくない化け物なのですか?」
 町娘「いえ…あの化け物が現れるようになってからまだ二月とたってはいません。でも噂では、この地の下に洞仙が仙窟を作ってるとか…」
 蒼幻「…なるほど。それが原因だと? …新種の化け物を生み出す洞仙。少し興味がありますね…」


 一方、地下の仙窟では、「20ターンでエネルギー10000を振り込む」ための突貫作業もようやく一段落、ついに10000を振り込むことができた。この時点で21ターン以降になってしまっているとバッドエンドが決定なので注意されたい。コンプリートするだけなら最後の選択肢を間違えるだけでよく、ここでバッドエンドを決定する必要はないので、あえて後味の悪いエンディングが見たい時やヒロインに対して実にやるせない気分を抱いた時、なんかやたら時間の掛かる実録洞仙日記のバッドエンド版を書く時以外にはあまりそうする機会もないハズ。で、蒼幻が侵入してきたのはそんな折りだった。

 主人公「やっと半分くらいか…っ!? 誰だ!?」
 蒼幻「…新種の化け物を作り出し、街を混乱に落としいれている洞仙がいると聞いて来てみれば…あなただったんですか」
 主人公「…。まったく……どいつもこいつも。それじゃ、俺がまるで悪い奴みたいじゃないか!!」
 蒼幻「よく、お判りじゃないですか」
 主人公「ふざけるな!! 知ったふうな顔しておまえに、洞仙の使命が判ってたまるか!!」
 蒼幻「ふっ……とりあえず、あの化け物をどう使おうともあなたの勝手です。街を滅ぼそうと、大地を枯らそうとお好きなようになさい。ただし……」
 主人公「まさか、作り方を教えろってんじゃないだろうな? さっきからも言ってるだろ!!(←実はちっとも言ってないんじゃねーかとボクは思います)俺は、そんなことは知らん!!」
 蒼幻「どうしても、答えないつもりですか。かくなる上は…」

 ってな訳でバトルスタート!! しかしこの辺の台詞はだいたい原文のままなのだが…なんか主人公自分で誤解招いてないか。「まったく……どいつもこいつも」の台詞ではもう俺がズバリ豪華客船の客室に落とし穴を仕掛けた犯人ですって認めてるカンジである。強いんで多少時間が掛かったが、ソレでも何とか倒すと、蒼幻は潔く引く。

 蒼幻「やはり、あなたは私の手に負える方ではないようですね。…。ふっ……どうも、あなたのその強さはその女の子に関係あるようですね」
 さくら「あたし!?」
 主人公「なんで、そうなるんだよ」


書いてないけど毎度召喚してます馬明仙。



 蒼幻「護るべき人があるというのはいいものですね……それだけで強くなれる」
 主人公「だから、なんでそうなる!?」
 さくら「それって、どういう意味!? 私なんか、どうでもいいって訳!? キィー!?」
 主人公「あ、いや…そ…そういう訳では」
 蒼幻「仲がおよろしいようですね」
 主人公(フッ…キミの目は節穴なのかい…?)
 さくら「あ……やだ、私ったら人前で……。でも…ねぇ、王蒼幻さん。信じて……私達、決して大地を枯らす為にこんな事件をしてるんじゃないわ。大地を甦らせるのが、本来の私達洞仙の仕事なのよ…。お願い、これ以上私達を苦しめないで」
 蒼幻「…。あなたは、美しい目をしていますね。一片のくもりもない。ウソや、いつわりのない輝きです」
 主人公「俺だってウソなんか言ってないぞ……」
 さくら「……」(←なんとも言えない沈黙)
 蒼幻「そのようですね。わかりました。今回はあなた達の事を信じてみる事にしましょう……では」


 言い残し、蒼幻は去っていった…。相変わらず彼の目的は掴めないが、ともあれ最初のフラグ(20ターン以内にエネルギー10000を振り込む→蒼幻侵入)はクリアしたのでターン制限はこれで無くなり、じっくり仙窟を組むことができるようになる。ソレこそもう「100ターンでエネルギー1を振り込む」とかでもちっとも大丈夫である!!(←危険なので真似をしてはいけません)


 で、またまた地上、蘭陽院ではそのころ、洞天福国将軍、龍雷漢(りゅうらいかん/30才/男)が出撃の準備をしていた。

 大僧正「雷漢殿、地下の洞仙はかなりの使い手……油断めされるな」
 雷漢「安心めされい、大僧正殿。拙者、どんな相手であろうと手を抜いて闘った事はござらん」
 東天転(とうてんてん/25才/女)「私もついて行きめされい!!」
 雷漢「何語じゃソレは!?」
 天転「いや『めされい』って流行りめされてるのかなーと思ったんですがめされい

 ついて行くと云う天転を、しかし雷漢は制止する。何故と問う天転に、雷漢は噛んで含めるように云う。

 雷漢「天転、おぬし先ほどワシの命を待たず勝手に飛び出していったであろう!!」
 天転「街の人の事を思えばこそです!! 関係ないですが一瞬その『命』を『いのち』と読んでしまって将軍どっか死にに行ってたのかと思ったのは秘密です
 雷漢「言ってるではないか!? ともあれ、戦とは……軍とはそういう物ではない。それをよく考えるのじゃ」
 天転「は……はい」

 そして、雷漢は天転を置いて仙窟へと向かう……つづく。


ひとつマエカオスシードひとつアト

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