トップ更新履歴リンク

第32話「杞人之憂・その二」


 酒場の二階に上がると、いかにも通行人A風の老人がよっこらせと席を立つところだった。何となく主人公が話しかけるや否や「さて帰ってひとつ将棋でも指すかのう」などと聞こえよがしな独り言を吐くところを見るに、おそらく彼は実は将棋を指そうにも相手が居ないため毎日毎日ぼくらは鉄板の上でひとり淋しく詰め将棋してる孤独な老人で、遠回しに主人公を誘っているのだろう…と思ったら本当にヘイカモンと誘ってきた。ダイレクトなじーさんである。

 老人「では家で待っておるからの!!」
 主人公「将棋か…老師も強かったなあ」

 主人公、以前三界老師と勝負した時にはこてんぱんに負けてしまったのだ。約束はしたものの無視して仙窟に行ってもいいのだが、まあ老い先短い老人の誘いを無下に断るのもアレなので、ではひとつ…と誘いに乗る。しかし、この老人の強さも半端ではなかった!!

 主人公「ぬうなんだこの強さは…ッ!? さては将棋盤に憑いた烏帽子姿の背後霊の指示を受けているなッ!? ならば俺も奥義を使わねばなるまい…!!」
 老人「何、奥義じゃと!?…しかも将棋に!?
 主人公「フッフフ食らえ!! ムゥン奥義『怪奇現象:俺は手を将棋盤の下で怪しげに動かしているだけで駒に触れても居ないのにいつの間にか位置が変わっている』ッ!!
 老人「なんと不可解な!? やるのう、怪奇現象まで味方に付けるとは!! ならば必殺! 『飛行機なのに工兵のような動きをして幻惑』!!(←軍人将棋だったんかい)


やりすぎました。



 主人公「そう来ましたか…ならば俺秘蔵のこの『超スパイ』を送り込むしか!! ちなみに何が超かと云うと!! なんと普通のスパイと違って睫毛があるんだよ!?」
 老人「いや…それは軍人将棋知っててもよく判らんぞ? ともあれこれでどうじゃ!!」
 主人公「ぐあ!?…負けました。いやー、強いっスね」
 老人「いやいや、どうしてお前さんもなかなか筋が良いのう。蒼幻ほどではないが…」
 主人公「蒼幻…?」

 聞くと、この老人は蒼幻の将棋の師匠なのだと云う。なんでも蒼幻に教えてみたらあっと云う間に師匠をすら凌ぐ実力を身につけたそうで、もはや敵無しバンババンな状態らしい。そういえば街の人も、蒼幻は将棋で負けたことがないような話しをしていた。そういえば将棋と云うと普通は両陣7駒ずつ持ち、4枚の金を振って出た目で将棋盤の周りを回るアレだが(←違います)、昔は大将棋と云って本当に何百もある駒を動かす将棋もあったらしい。そんなんで回り将棋をしたらきっとクリアするのには桃鉄99年モードより時間掛かるだろう!!
 あ、軍人将棋のスパイの駒ってのは普通は単に目が描いてあるだけなのだが、なんか一個だけ目に睫毛が付いてたバージョンがあったのだ(珍しいよね…?)。まあコアラのマーチの眉毛コアラ程度の存在である。

 老人「それはそれは強くてな。ついこの前も誰かと真剣勝負をして勝ったそうじゃ」
 主人公「ふんふん真剣勝負で……。……ッ!? なんか俺、今まさに謎が全て解けた!! 犯人はこの中に居ない!!」
 老人「居ないのか!?

 そうなのだ、ここで推測は付く…のだが、それだと本当ゲームが終わってしまって筆者ラクでとてもいい…もとい仙窟活龍大戦で無くなってしまうので、やがて来る脱力なオチを想像しつつも仙窟へ行くことにする。ちなみにこの「老人と将棋を指す」と云うフラグを立てないまま仙窟へ行くと老師はちゃんと(?)死んでることになるらしく、蒼幻との戦いは避けられない…のだが、それは後の「別解」をお待ちあれ。


 さて仙窟。この仙窟は作りかけなのか途中で投げ出されたのか自然の地形を利用して作ってみた洞窟ホテルの跡地なのか、なんか既に部屋が幾つか完成している。普通のシナリオでは本当に何もない地下にミスターホリ・ススムの如く穴を掘っていくので好き勝手なことが出来るのだが…既に部屋がある以上、自ずと制限が加わる。要するに家を新築するか増改築するかの差である。アレだ、俗に火事になった時いちばんタチが悪いのが半焼と云う。全焼ならまだ保険も大きいし後始末もラクなのに、半焼だと保険は弱いわ直すにも結局かなり壊さなきゃだわで踏んだり蹴ったり、しかも半焼で残ったのがトイレとか風呂とか台所とか車庫とか割とどうでもいいような場所だったりしたらもうなんかいっそステキだ。関係ないが「踏んだり蹴ったり」って実は自分加害者じゃないのか。

 で、この仙窟がまさに半焼家屋なのだ。半端に完成しているから手を加えにくいわ、といって放っておくとすぐ破綻するわ、しかもやたら広いので作り直すにもかなりの手間が掛かるわ、出来たら出来たで管理もめんどくさいわ…もう抜群にサイアクのシナリオである!! しかも分岐点が序盤にあるのでふたつのエンディングを見るためには最初からやり直さねばならないと云う、私的いやんなシナリオ第1位。メリットと云えば魔鏡のあるダンジョンで「破天の杖」を入手できることくらい…。

 まあ愚痴云ってても仕方ないので龍穴炉の部屋に入ると、なんか勝俣似だと思う火の部屋神が出現したので、蒼幻と戦うことになったと告げる。

 火の部屋神「蒼幻か…やつは強い。普通に戦ったって勝てんだろうから、これはもう一撃で必殺のスペシャルトラップに掛けて騙し討ちする以外はないな!!
 主人公「もう既にそれしかないのか!?

 ないらしい。なんでも火の部屋神の云うに、この仙窟のどこかには4枚の魔鏡が眠っているのだが、その全てをここにセットし龍穴炉にエネルギーを20000振り込めば一撃必殺のトラップとなるらしい。蒼龍、朱雀、白虎、玄武…いわゆる四神の名を冠した魔鏡…なんかスゲェご都合主義のような気もするがまあアレだ、蒼幻と戦うと云うことでわざわざそういう仙窟を選んだのだろう。さもないと火の部屋神、実は単にトラップの効果を試したいだけなんじゃねーかとかいろいろ想像できてしまう。

 主人公「4枚の魔鏡に20000のエネルギー…か」
 火の部屋神「ああ。くれぐれも油断はするな」

 てなわけで、仙窟作成スタート…ってとこで、以下次回!!


ひとつマエカオスシードひとつアト

トップ更新履歴リンク
inserted by FC2 system