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第13話「大地の樹・その四」


 さて今回もまずは地上からお送りします。地上の玲蘭さん?「はーい」「バブー」(混線中)…で、その頃雷漢の宿屋では、目的を果たせずに帰投した洞天福国洞仙討伐部隊の反省会が開かれていた。その会話を聞くとはなしに聞いていた玲蘭だが…。

 兵士A「それにしてもジャイアンより強かったですねーあいつら」
 僧侶A「ぬう…私の愛が足りなかったのだろうか…? ここはもっと人を愛して修行を積まねば!! 手始めに貴方!!
 兵士A「ごめんなさい
 天転「あほかー!! くそうオレはなんて不幸なんだ…」
 玲蘭「…あんたたちってホントダメねー」

 聞こえよがしに呟いた玲蘭の言葉に、彼らはぷんすか怒り出す。

 僧侶A「何!! 知った風な口をこの小娘!!」
 天転「何!! 知った風な口をこの僧侶A!! 名前も無い脇キャラの癖にオレの台詞取るな!!
 僧侶A「いやそこを怒るんかい!? でも主人公にも名前無いじゃないですか!!
 天転「いや…根本的に違うと思うぞ…? だいたいお前『僧侶A』なんてもう未成年か気違いの犯罪者のような扱いじゃないか」(←ひどい)

 処で「主人公A」とか書くとなんかこうぜんぜん主人公っぽくないのだがどうしてだろう。「ウルトラマンA」とか「セリエA」とかはちゃんと風格あるのに。ともあれ漫才担当方面は置いといて、雷漢が応える。

 雷漢「いや…そうは言うが、確かにあの洞仙の強さが尋常でなかったのだ」
 玲蘭「あんたたちの弱さが尋常じゃないんじゃないの?」

 その通りである。主人公が負けるとたいがいそこでゲームが終わってしまうので、万一勝っても即リセットでなかったことにされる、もはや負けることを宿命づけられた戦士たち。ソレを横から見てればこんな感想であろう。それを聞いていた天転が、ちょうど雷漢と挟み撃ちにするように玲蘭に近付き、槍を突き出す!!

 天転「ムッキー馬鹿にしやがって!! そんなやつはッ食らえオレの槍!!」
 僧侶A「更に私のラヴビィーム!! ほわちゃあ!!(手から変な波動)」
 兵士A「痛ッ!?(←またかい)

 しかし、天転の槍が届く前に、玲蘭は一瞬早くテレポート脱出。ちなみにここで問題。雷漢・玲蘭・天転が一直線に並んでいて天転の槍がみょーんと突き出されたところに玲蘭が居なくなったらどうなるでしょう?


不幸な事故です。



 不幸な事故はともかく、姿無き玲蘭の声だけが宿に響く。

 玲蘭「ほーらやっぱり弱いー」
 天転「すっすごいぞお前!? そんな強いのになんで洞仙倒しに行かないんだ!?」

 聞くと、玲蘭の目的は「金」ただそれだけであり、洞仙を倒しても得にならないじゃーん…と云うのが答えであった。しかし、実は洞仙には莫大な賞金が掛かっているのだ。それはもう普通の妖怪や盗賊の数十倍、更に経費も請求できて課税無し!!(別の世界での玲蘭談)
 てな訳で、それを聞いた玲蘭はマッハですっ飛んで行ってしまった。

 天転「…」
 僧侶A「…」
 兵士A「…」
 雷漢「…」(以上4人の中にひとりだけ違う意味で『…』な人が居ます)


 さて一方仙窟では、なんか封印された機械部分とが実は大聖樹の頭脳部分だったのか、ソレを封印された今、大聖樹のボケがどんどん進行しつつある。犬や猫にもボケはあると云うが、木のボケ…て云うか花の名前だ。

 大聖樹「ほあー…なんかもう何も考えられんようになってきた…私は何のために生まれてきたのだったか…」
 主人公「何を弱気になってるんだよ!! あんたは家に無断侵入してきたスーパーなアラビア人と戦うために生まれてきたんだろう!!
 大聖樹「いやそれは違う!! 確実にだ!!」
 さくら「そうよ!! あなたは私たちに『天封呪』のことを教えるために生まれてきたのよ!!」
 大聖樹「そ…そうだったのか!?」
 馬明仙「ソレも違う」

 正解は「この荒れた土地を甦らせるため」である。しかしこのボケ状態では「天封呪」のこと教える教えない以前にそもまだ覚えてるのかこの木。

 大聖樹「大地を…救うため、か…」

 ぽつりと言い、大聖樹の気配は再び消える。さくらの云うに、もはや存在自体が危うくなりかけているらしい。

 さくら「大聖樹さん…どうしちゃったんだろう? やっぱり早めに脅して情報だけでもゲットしておくべきだったかなあ…」
 主人公「まあもうすぐエネルギーも一杯になるし、きっと大丈夫…む!? また侵入者だなッ!?」

 と、怪しい気配に目をやれば、そこにいたのは玲蘭だった。

 玲蘭「へっへー私でーす★」
 さくら「玲蘭!! なに、遊びに来てくれたの?」
 玲蘭「そうそう遊びに来たの!! 別にちっとも洞仙の賞金が目当てで来たんじゃないわよ!!」
 主人公「わあい!! なんかとても怪しいけどばりばり歓迎するよっ!!
 さくら「なんでやねん!!」

 てなわけでなし崩しに戦闘突入である。実際のとこ、玲蘭はそんな強くもないのであっさり倒すことができた。

 玲蘭「ひどいわさくら!! 私たち友達じゃないの!?」
 さくら「あなたにとっての友達って賞金目当てに襲う相手のことなの!?」
 玲蘭「そうよ!!
 さくら「いやそんな自信たっぷりに言い切られても!?

 まあ玲蘭、「金の切れ目が縁の切れ目」と云うことわざのそのままに生きているような人間なので、一般人と多少友達感覚が違うのだろう。それに世の文化によって友達という概念も違う。アメリカ人は5分話せばマイフレンドだし、アラビア系の商人など顔見ただけでオーワタシノトモダチネーである。他にもサボテンに話しかける人間や無機物に名前付ける人間、愛と勇気と云う抽象概念にしか友達が居ない炭水化物もみんなみんな生きているこの世界じゃあないか!!

 玲蘭「日本人でも翼くんだって『友達さ!!』とか言いながら蹴りまくるじゃない!! あれと同じよ!!」
 さくら「誰よそれ!!」

 ともあれボロ負けで実力の違いを悟り、玲蘭もすごすごと帰って行った。そして邪魔をする者も居なくなり、ついに最後のエネルギーを龍穴炉に入れる!! 普段ならこれで大地が甦る…のだが。今回は倉庫部屋が作れるようになったよーとの水の部屋神からのコメントだけであった。

 さくら「…何も起きないわね。蒼幻の封印のせい…?」
 主人公「ふっ…龍穴炉に陽気が満ちてイコール『解封呪』が使える今! 俺に解けない封印など無い!! ではさっそく!!」
 さくら「機械室の封印を開けるのね!!」
 主人公「ああ!! 倉庫部屋作って仙獣行軍ルートを変更して集中強化してアイテム出し入れしたのちセーブしてからね!!
 さくら「…何ターン掛かるのソレ…?」


 …3ターン後。

 ついに、封印された扉は開かれる…。


ひとつマエカオスシードひとつアト

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