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第2話「ビンケットの館」
 バァンとボガードの小屋に入るとそこで、事件現場の暗がりでごそごそやっていた謎の黒い人物(目だけ光る)に突然ライトが当たった時のような判りやすい反応をしたのはなんと、先刻別れた主人公だった!! 曲者とばかりに杖でボディブロー、まともに受けた主人公はうずくまる。

 主人公「ぐっ…」
 ヒロイン「剣を抜いたらどう? 私の村を滅ぼしたときのように!(主人公を公国兵と勘違いしている)」
 主人公(へんじがない。ただのしかばねのようだ)
 ヒロイン「死んでる!? さすがに21レベルの一撃は痛かったかな…?
 主人公「そりゃあ泣くほど痛いよ!? というか君なんでこんな序盤でそんなレベル!?」
 ヒロイン「それは…思い返せば2時間少し前。ブラック化させるためにラビを1000匹倒すのにそれだけ時間かかったのも今ではいい思い出です…
 主人公「いやそんな遠い目されても…」

 そう、このゲームでは同じモンスターを1000匹倒すと突如として色が黒くなるのだ!! いや色は実はどうでもいいのだが強さも3倍どころではなくグレートアップ、さらに通常のプレイでは出現しないレアアイテムも落とすようになる!! はっはっは、いやーラビ(聖剣シリーズ伝統の最弱モンスター。ドラクエのスライム同様マスコット的存在)がここまで強くなるとは思わなかったです(…)。なんかもう一撃・即・死。おかげでトップルの村からボガードの小屋に通じるただの小道的フィールドがもはやたけしの戦国風雲児で矢槍乱れ飛ぶ中によく見ると素手でアチョーとか言ってそうなファンキーな侍の混じっている軍勢のど真ん中走り抜けるミニゲームより恐ろしい場所に。しかし1000匹倒した相手が強力になるというのも普通に考えると怖い世界ですよねー。

ブラック蚊。


 ちなみにヒロイン、この時点で21レベルといってもセージになるために賢者オンリーなのであんまり強くないのです。何でセージかというと木の精霊魔法のスペシャリストなため。要するにドリアードです(←やな要)。いやあこう見えて筆者などドリアードのためだけに本来ナイトブレードにしたかったホークアイを断腸の思いで白タイツにした人間ですし。愛の力は偉大です(←それは愛なのか)

 まあ話しの中でボガードの置き手紙を見たりして双方納得し、主人公は大賢者シーバに会うため、ヒロインはボガードと落ち合うために同じウェンデルへ向かうので、当面は一緒に行動することに。だが、トップルの村で聞いたところ、ウェンデルへの洞窟はビンケットの館の主によって封印されているという。仕方ないのでとりあえずビンケットの館へと向かうことになる。

 さてビンケットの館。主人公が謎の顔色の悪い男(第1話参照)、もうめんどくさいので名前書くとジュリアスに出会ったり、ヒロインがコウモリから化ける顔色の悪い幽霊を見たりしつつ、館に入ると顔色の悪い執事がお出迎え。この館コミケでもあったのだろうか。執事の言うに、館の主人は寝てるのでここで泊まっていったらいかがでしょうとのこと。イザベラという顔色の悪くない女性も宿泊しているとのことで、じゃあまあそうさせていただきましょうかと、丁重に受ける主人公。
 けどここのくだり、主人公の物腰の丁寧さはさすが大臣の息子である。一方でヒロインはもう行儀が悪いもとい警戒心バリバリで、実に二人の育ちがよく判るカンジである。というわけで部屋に案内され、中に入ると片隅になぜか宝箱。

 主人公「これはもらっていいんだろうか…?」
 ヒロイン「これきっとアレよ、石鹸や歯ブラシやタオルや温泉まんじゅうやお茶パックや宿泊割引券やメモ帳やテレビやテーブルと同じ備え付けのお持ち帰りOKアイテム!!(←一部持ち帰りすぎです)さっそく開けましょう!!」

 中から出てきたのはなんと!! ずばり「天使の聖杯」(死人を生き返らせるアイテム)。やなホテルである。
 その後いったん部屋を出、この館について聞くために先ほどの同宿客、イザベラの部屋に。彼女は特に警戒もなく二人を招きいれてくれた。

 ヒロイン「外で幽霊を見たんです。ここきっと…例えば怪奇現象サイトで『わたしも聞いたことがあります』『僕の知人が行ったことがある』とか次々と書き込みがある割に本当に行ったことのある人はあまりの何も起こらなさに黙して語らないような危険な場所だと思うのです
 イザベラ「それは危険なのか…? あ、すまんな。キミが見たのはおそらく彼の使い魔だろう。ここの主は吸血鬼だからね。コウモリの使い魔がいるのさ」

 さらりと言うが、この世界では吸血鬼、ひいては魔族はイコール悪ではなく、単に種族の違いというような概念である。LOMなどもうタマネギやペンギン、ティーポットや魔方陣まで普通に生活しているし、だいたいイザベラ自身聖剣3ではラスボス手前のボスである。新約はこんなカンジで微妙にあちこちリンクがあるのでファンとしては嬉しいとこです。

 ともあれ部屋に戻るやいなや、疲れ果てていた2人は眠りに落ちた…のだが、ヒロインはすぐに悪夢で目覚めてしまう。そして何かの気配を感じ、外に出ると、執事がなにやら独り、花嫁探しが終わったとか魔界へ帰れるとかぶつぶつ言いながら奥の扉へと消えて行く…。これは怪しいと思ったヒロインは、一人彼を追いかける。
 その過程で、なんか暖炉にあった封印を解くと、やたらウォーとか燃えてるサラマンダーが出現、お礼に仲間に。そりゃあこんなんが暖炉にいたら危険なことこの上なし、封印もされるだろう。

 そして探索していくと、棺桶ばっかり置いてある部屋に迷い込んでしまう。開けてみると、どれも死んだように眠っている女性が入っている…けど開けてみるヒロインもすごいと思うのは筆者だけでしょうか。広くて暗い部屋の中、数えてみたら10個(主人公サイドとあわせれば20個)も並んでいる棺桶。想像してみよう、この棺桶が西洋風の、割とオールバックでダンディーなナイスミドルが入ってそうな物でなく、和風の、割と今まさに井戸から出てきたような不自然に髪の長い女性が入ってそうな物だったら!! 君は開けてみる気になれるか!?

 が、よくよく見れば眠っている女性たちはみなマナの一族…同族だと、ヒロインは気付いた。怪訝に思うヒロインの背後から、見ーたーなァーと登場した執事を光魔法2発で沈め、主に問いただすため、先へ進む…そして主の部屋に着くと、既にイザベラがいて、何事かを話していた。ヒロインに気付くと、主…リィ伯爵が水を向ける。関係ないがリィもやはり顔色が悪い。
 で、話しをするとリィは魔族、それもかなり高貴な地位らしい。だいたいこのリィ、「魔界のプリンス」と自分でいうあたりかなりのものである。

 イザベラ「その魔界のプリンスがなぜ人間に肩入れする? しかも、約束を果たす相手はとうに死んだんだろう?」
 リィ「まだ死んだとは限らない。それに、人が死んでも約束は死なない。この館にいる限り、娘たちは私が守る。私は友と約束した。マナ一族の女を守ると。シャドウナイトのことももとはといえば魔界のものが招いた混乱。私が解決する」

 そうしてイザベラを眠らせ、リィはヒロインと、遅れてきた主人公と対峙する。相反するのであれば力ずくでと、バトル開始!! リィはヴァンパイアへと姿を変える!! けど光魔法3発であっさりクリア。プリンスの癖に弱いぞ君!!
 すると、先刻ヒロインが会った顔色の悪い幽霊が出現、主人公によると彼はなんとあのグランス公らしい。リィにマナ一族の女性を守るよう頼んだのも彼で、確かに閉じ込めるのは乱暴な方法だが、他にやりようがなかったとのこと。
 だが、主人公とヒロインはここで守られているわけにもいかず。公国の兵士が近くまで来ているとリィに伝えられ、挨拶もそこそこビンケットの館をあとにした。

 リィ「あの二人は狙われている。一時的にでも魔界へ逃げ込んだほうがよかったのではないか?」
 グランス公の亡霊「いや…彼らは自ら道を切り開こうとしている。その力を信じなければ…」

 また、あの時のように駆けていく二人。この感覚が、二人に過去を思い出させる。そう、数年の時を経て再びめぐり合った二人は、今度こそ…。

 イザベラ「なぜ泣いている、リィ…メデューサのことを思い出したか? おまえのその苦しみを私にも分けてくれ…」

 …つづく。


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