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体験版記後編「ドアドア」


 なんや意味深な引きだったが、ソシエテの裏手、来たときには気付かなかったところに道があるのだ。興味津々と覗いてみると、これがちゃんと通れる場所。道なら通れるだろうというつっこみもあろうが、実は街中には、通ろうとしても「ベトナムや湾岸を勝ち抜いてきた歴戦の戦士にだって超えられない場所はあるのさッ!!」など云われ、結局通れない場所があるのだ。例えば家と家の隙間約30センチの道など、猫や鼠、犬らしき謎の生物あたりならにょろりといかにも不定形な擬音を発せずとも抜けられそうなこの小径、何故か歴戦のマグには無理らしい。あからさまに低い頭身のせいで頭が引っかかるのだろうか。

 で、ソシエテの裏手に回ってみるとそこは雪国だった。いやもとい、巨大なシャッターのある倉庫らしき建物だった。近くに管理人小屋(中身無し)の在り、ここでシャッターの開閉を操作しているらしいことから考えるに、
 「この倉庫には今は入れそうにないなあ。ついでだ、体当たり→ドア開く→飛び込むコンボの練習でもしとこう! ふんはッ!!」
 などと例によってシャッターに向かって体当たり。もちろん開くはずはないと思われたのだが。
 「…開いてた…不用心…」
 「いやちょっと待て、普通のドアならいざ知らずなんで上に押し開けるしかも機械式シャッターが体当たりで開くのかという疑問の方を先に解決して欲しいんだが」

 開いてたのだこれが。中には事務員だか調査員だかの男が一人、「駄目だよ勝手に入って来ちゃ」などと云う。なら閉めとけ。ていうかまず驚け。いややはりこれがあるいは日常で、「正式なドアまたはシャッターの開け方ガイドブック」とかに書かれているのかも知れない。オプションで刑務所の独房のドアの開け方や女子トイレ奥から3番目(花子さん宅)の開け方が付いて今なら1500円とかで。


にゅう。


 そも、喩えるなら「人は何故山を登るのか」と云う問いに答えて曰くの山男、「そこに山があるからさHAHAHA!!」。これと同じ、そこにドアが、シャッターがあれば体当たりして開けたくなると云うのが体当たりでドアを開ける男略して体男の宿世と云うか運命である、不用心に機械式シャッターをどういう原理か知らぬが体当たりで開くようにしておいた君が悪い。ていうかそんなん故意にする以外できず、とてもじゃあないが不用意にそうなったってことはないだろう。ので、これから起こることは全て彼の責任である。
 「おっナオリン。ここにもナオリンだっ!! 相変わらず名が体を表すクスリだぜッ!!」
 など、ソシエテ備品である所の、おそらく例の逆立ちの秘密工作員ねーちゃんが使うのだろうアイテムをゲットしまくりである。しかも事務員さんも、ラダトーム城の宝物庫の兵士が如く自由に強奪させてくれる。なんかもうカルカーノとかの盗賊団と変わらない。


 …で、この調子であちこちうろついていたのだが、そういえばこんなことをしている場合ではない。ホテルでグレを仲間にし、早速ブレイズ遺跡へと向かうことにした。ちなみにチェインは、なんか暇そうな顔で忙しいとか云うので、ホテルのロビーに放置。

 「さて体験版は3回戦ったら終わりと云うことで、ここは戦わずに何処まで行けるかぜひ試してみよう!!」
 などと、相変わらずひねたスタンスなのだがともあれ、「2」にして初めての遺跡探検である。しかし。
 「…うっ…。視点が微妙なため『最前列シフトで全部先制攻撃』がやりにくいぜこりゃあ…」
 そうなのだ。視点以外にも理由はあれ、なんか前作に比べ、格段に不意を打ちにくい。前作では実に戦闘の8割を先制攻撃で勝ち抜いてきた彼らにとって、これはあまりにも辛い。しかもぽーっとしてると敵の方から「!」とか云ってこっちに突進してくるのだ、これが「バロック」なら気付かない内に後ろから電器玉で撃たれるくらいいつものことで、別に怖くはないのだが、「エヴォ」ではなんでか怖い。何故だろう。

 ともあれ、前作のように「すぐ脇をすり抜けて逃げる」のも難しいゆえ、あんまり先へは進めなかった。体験版といえ、最上階まであるかもしれんのに。戦闘自体は前作と余り変わらず、さくさく行ける。この辺は本編で語る機会もあろう。


 …というわけで、3回に渡ってお送りしてきた体験版記、これにて一応の完結となります。次は改めて、本編のプロローグから書いていく予定です。2000年新春ロードショー。


ひとつマエエヴォひとつアト

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