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第23話「翼をください」


 さてユルカとリニアの行った先はまたもや何時果てるともなく続く先史のダンジョン。具体的には25階(屋上)まで、抽象的には今居る場所をこの辺とするとだいたいあの辺まで続くのだが、そんなんは今はまだ判らない。抽象的な方だと今でなくとも判らない気がするがともあれ、今度は16階をベースキャンプにできるため、前半戦よりは距離的にはずっと短い…のだが、出てくる敵が洒落にならないので難易度はどっこいどっこいである。例えば。

 「わあ、すげえや恐竜がもしょもしょ動いてる!! いやしかし 何でこうエサも何もない鋼鉄の遺跡で恐竜が生き残っているのか…さては外見だけ恐竜で、実は放射能実験で目覚めて街の名物を破壊するアレか!?」
 「単にロボットなんじゃないの?」
 それはまあ日本でもあと10年もすれば心優しい癖に10万馬力な科学の子とか中古子守役の癖に時間犯罪者なネコ型ロボットとか作れるようになりそうな科学力を有しているのだ、なればそれ以上の、リニアをも作ったらしい先史の科学を持ってすればもしょもしょ動いて襲える恐竜くらいお茶の子さいさいで作れるだろう。処で「お茶の子さいさい」という俗語、どういう語源なのか。花の子ランランとか魔女っ子メグちゃんとかケロっこデメタンとかの妙な生命体の一種だろうか

 ともあれこの恐竜、強いは強いが、攻撃がおおざっぱに力押し一辺倒なので余り怖くはない。巨人の攻撃みたいなものか(ここで云う巨人はいわゆるでかい人間で、野球のチームとは何の関係もあるような気がしても気にしてはいけません)。で、数度戦ってみてマグはあることに気が付いた。
 「コイツら回復アイテム落としてくれるじゃん…なんで恐竜がミンナオリンゴールド。よもや6500万年前から売ってたのか」
 そうなのだ、まるでゲームの神がリニア居なくて回復辛いだろうおおよしよしベイベーとでも云っているかのようにこの恐竜たち、ぽろぽろ回復アイテム落としていってくれる。しかもどれも有用な物ばかり。

 「これだけ回復アイテムあればもう困ることないわね」
 「そうそうこれみんな売ったら幾らになるかなあウフフ」
 「売るんかい
 たいした足しにはならないので売ってはいけません。ラスボス相手には回復アイテムはいくつあってもありすぎると云うことはないのだ。


 さてそんなこんなでどんどん昇っていくと、じゃきんと床から飛び出てくる棘。
 「うをっまたこのトラップか!! この地味なトラップ、昔よくあった2D横スクロールアクションだと別にちっともたいしたことないんだけど、3Dアクションだと結構辛いよなあ…」
 「マグ…あなた2Dで生活してたことでもあるの?

 普通ない。

 「まあこういう床に設置してあるタイプのトラップは、そも床中央にしかないから壁にぴったり沿って移動すれば踏まないと云うのは前作からの宇宙の真理! さあ壁に向かってゴー!!…………あれ?」
 「そっちは穴ですぞ坊っちゃん!!」
 気付いたときにはもう足下には何もなかった。ひゅうと耳元を抜ける音とともに、マグと、律儀に付き合ってくれるふたりは奈落の底まで落下してしまう。そして…。


 気が付くと、そこは16階だった。
 「……ハッ!? この展開はまたもやさっきのは実は夢ってことにして再トライか!?
 「別にこのゲームアクションじゃないから、22階から16階に落ちて普通人間ひとり軽く死ぬような状況になったってゲームオーバーにはならないわよ

 ソレはまあ戦車砲が直撃しても平気な人間、単に何階か落ちたくらいでは大丈夫であろう。というか、これはつまりピンチになっても飛び降りればいつでも16階に戻れ、そこからトランスポーターで街に戻れると云うこと。今ならもれなく「脱出香炉」はもう必要なくなってしまう。

 「うぬう…壁と見せかけて穴とはやるな先史のダンジョン制作者めっ!?」
 「というか…なぜ壁と穴を見間違えられるのでしょう坊っちゃん。まるで自分を斜め上から見下ろしているような視点で行動してる人のようですな」

 ずばりそうなのだ。半端に上から見ると穴は単に真っ黒い空間なので、何もないのか黒い壁があるのか単に手抜きなのか少し迷うのだ。いや黒い壁はこのダンジョンにはないのだが、前作のヘブン遺跡にあったので馴染み深く、ついつい壁と間違えてぴったりくっつこうとしてそのまま落下してしまいがちである…いや筆者だけかもしれないが。


最近こんなんばっかだ…。



 ともあれちゃくちゃくと遺跡を攻略していく3人! その前に現れる最強のザコキャラとは!? そしてラスボスの強さは!? 以下次回!!


ひとつマエエヴォひとつアト

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