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第9話「迷子のリニアちゃん?」
−−幕間エヴォエヴォ劇場−−
「そういやスティングさんとこでそんな企画あったんだよなあ…年末でガッコ閉まってるときになあ」
そう、昨年末に「ホームページのあちこちに居るリニアを捜そう! 全部見つけた人はキーワードを書いて送れば豪華賞品!!」とか云う企画があった…が、前述の理由で筆者は参加できなかったのだ。
いや筆者、アパートにもパソコンあるのだが、そのときは情報僻地な実家に帰省してたのである。よってに参加不可。これがリニア色紙とかなんか貰えたらしい…おのれ次こそはッ。
で、クリプト迷宮に入るや否やわあいスケートだカーリングだワカサギ釣りだやってた3人、そういや筆者の実家の正面の(正面っても玄関から80メートルくらいあるのだが)交差点は市内有数の事故の名所として一部で有名で、筆者も真冬バス待ってるとき大型二輪が豪快にすっころんだのを見たことがある。何が云いたいのかというと、
「オレらの足器用だよなっ! 普通アイスバーンで方向転換する際に走ってるとこの道50年の余作でさえ転ぶぜきっと!?」
「器用な足ってなんか嫌。それはともかく、先史の科学力で滑るけど転ばないように作ってあるんじゃないの?」
そんな馬鹿な。それではますます先史の遺跡=アトラクションである。
さて奥に進むんだマグたちを待ち受けていたのは前回の引きで要らん恐怖煽っていた恐るべき仕掛け。それはもう「エヴォ」前作今作通してこんな恐るべき仕掛けはッ! 無かったと断言できるッ!! それはッ!!
「馬鹿な…下に降りる階段がいちフロアにふたつもあるッ!?」
そうなのだ、筆者エヴォ2でナニがいちばんびっくりしたってこれ以上に驚いたことはない。星空のディセント遺跡から歪んだ神経塔まで世界中何処だって笑いあり涙ありみんなそれぞれ助け合う小さな世界となればもういちフロアに階段はひとつ! これ世界の常識と思っていたのに驚天動地である。
まあ目前にあるものはもはやどうしようもない事実、そういえば世界まる見えで昔「初め作ったのが双子で、もうひとり欲しいなと作ったら4つ子、その後もうひとり欲しいなと作ったら3つ子が出来ちゃったのさHAHAHA!!」とか云う、お前ら熱あるんじゃねーかってアメリカン夫婦の話しがあったのだがあんなかんじで、とにかくあるもんは仕方ない前向きに行こうぜと、とりあえずひとつの階段を選択する。
「はああなんかもうオレ今正しい道歩んでるのかないのかもうさっぱり判らなくなってどっきどきだぜ。そうかこれが迷いながら行く甘酸っぱい青春時代ってやつか!!」
たぶん違うと思う。
とにかく階段がひとつ増えただけでもう大変、それは確かに二宮金次郎も走る丑三つ時、人の気もない学校の階段がひとつ増えていたら別の意味で大変だが、なんかもう3人組、すっかり迷子気分である(←どんな気分なのか)。
さて何時の間にやらもう地下10階、随分と探索も進んだし、いい加減疲れたので一旦街に戻ることにする。
「じゃあこの辺で帰って一杯やるか! そうそう、オレ飲むモノがミルクからお冷やにレベルアップしたんだぜ!!」(←レベルダウンじゃないのか)
「帰るはいいけど…どうやって?」
「……………ッ!?」
そうなのだ、前作のランダムダンジョンでは2、3階にひとつはトランスポーター(転送口)が存在し、いつでもどこでもあんなこっといいなっでっきたらいいなっと帰ることができたのだが。
「ええいトランスポーターはないのかッ!? この際贅沢は云わんとトランスフォーマーとかトランシルバニアとかトランプマンでも可ッと譲歩しても駄目ッ!?」
さすがに駄目だろうソレは。ところでトランプマンって今何処に居るんだろう。
ちなみに今作は固定ダンジョンのため、いつでもどこでも出入口も固定で、どこでもドアのような便利なものはないのである。「脱出香炉」といういつでも脱出できるアイテムもあるが、それを用意せずに入ったら一階まで戻るか、最深部まで探索するかしなければ脱出できない。で、ブレイズ遺跡、デプスの森と浅いダンジョンが続いたため、今回も脱出香炉など便利なもんは用意してないのだった。
「…はっはっは。じゃあ歩くか!! なに、来た道まっすぐ脇目も振らず戻ればすぐさええいちくしょうっ!!」
「…階段…たくさんあるけど…」
「……………………ッ!!?」
結局脱出するまでに1時間近くかかりましたとさ。
教訓:来たときよりも美しく。
▲ひとつマエ■エヴォ■ひとつアト▼
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