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第8話「氷上の奇行師!!」


 …夜、満月照らすバルコニーのリニアの元に訪れるはユルカ、言わずと知れた裏リニアな外見の少年は、リニアの気にしているプランターの花を見、
 「生命が尽きかけているんだね…見ててごらん」
 云い、かざす手の下で、花があっという間に枯れてしまう。けれど、それは終わりでなくて。
 「さあ、力を貸して」
 プランターに、今度はリニアが手をかざすと、蒔かれた種が次々と目を出す。枯らすもの、育てるもの。対になる能力。所詮人と共には生きられないと、ユルカは云い、空へと消える。


ソレはまあ。



 「さあここからはいつものちょっと変な文章で送るラブラブ日記でママも安心だっ!(←何が)早速ソシエテに依頼受けに行こうぜっ!!」
 息せき切ってやってきましたソシエテも3回目、馴れたもんでどたばたと階段を駆け上がり、ホワイトヘッド首席の部屋へ。首席の云うに今回の依頼は、
 「クリプト迷宮と云う場所なのじゃが…そうだ、これをプレゼントしよう」
 などと渡してくれたのは「冒険リュック」。これで普段30個しか持てないアイテムが一気に5個も多く持てるようになるのだ! このゲーム、宝箱が腐るほど出るというか既に腐ってるモノも実はあるんじゃねーかと云うほどどこどこ出るので、アイテム所持可能量はあればあるほどいい。今作ではアイテムを合成できるし鑑定品は別腹扱いなのでまだラクなのだが、前作では「おのれこれが『バロック』なら捨てなくて投げつけるのに使えるのにッ! 『体操着』とか『猫足スリッパ』とか投げたらああもう大変なかんじになりそうなのにッ!!」などと、それはもう身とか腸とか腹とか切る思いでアイテムを捨て捨て探索したものである。

 「ていうかそんな便利なもん持ってるなら最初からくれよ!? はああこれだから現場知らん人間はッ!!」
 「いや要らないのならいいのじゃが?」
 「ありがたくいただきます」

 てな訳で、例によって受付のリサ嬢にダンジョンについての説明を受けることにする。
 「えと、クリプト迷宮は…うーんと、寒い遺跡でー…」
 「『もうたくさんだ』を選択」
 「またですかあー!?」

 またです。

 「ええいなんかもうニーナさんに比べると君ちっとも駄目だなッ!? ところでクリプト迷宮について聞きたいんだけど
 「たった今まさにこの瞬間聞くの止めといてソレですかあなた。…えと、続きから解説しますね」

 このリサ嬢、ブレイズ遺跡の時もデプスの森の時も今回も、なんだかちっとも成長の跡が見られないのだ。「もうたくさんだ」を選び続けることによって自発的な成長を促そうと云うマグの考えは果たして伝わるのか。
 ともあれ準備はおっけー、今回は放っておくと死ぬまで酒場でくだ巻いてんじゃないかとちょっと怖いペッパーを誘って序盤を抜けることにする。


 「…ここがクリプト迷宮か…って、なんじゃこりゃあ! 凍ってるじゃん床ッ!!」
 そう、この氷の迷宮は床が所々アイスバーンになっていて、その上ではつるんつるんと自由に動けないのだ。まっすぐ走るだけならむしろ加速が付いて便利なのだが、急に方向転換しようとするとこれが変な方向に行ってしまうナイスな滑り具合、その先にモンスターでもいたら等速直線運動な慣性で突っ込んでしまう。といって急に方向転換しようとしたって3人はキャンデロロ(プロフィギュアスケーター)ではない、逆に後ろを取られてしまいかねないので、そんなときは遅刻しそうな朝食パンくわえたまま走ってる登校中に起こる出会いイベントのように素直に体当たりして恋の始まりでも待ちましょう。ラッキー装備品は「しのゆうわく」(←ゲームが違います)。それでモンスターに触れてから戦闘に突入するまでの一瞬のブランクがなんだか切ないイメージの演出ってかんじ?(←気のせいです)

 「まあ、それ以外はたいしたことなさそうだな。敵もそんなでもないし」
 「油断大敵よー」
 しかし、このダンジョンの恐ろしさはそんなところにはなかった! 次回、史上最大の危機が3人を襲う!!


ひとつマエエヴォひとつアト

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