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第16話「いきなり最終回」


 さて例のぺーかーべー三世を大破せしめた後に現れたのは、同じくぺーかーべー三世の群であった。それはもういったい何処から持ってきたんだこの戦車、さてはスネ夫の仕業か!?(←何故)などと邪推したくなるほどの数である。はっきり言ってこれだけの戦車に囲まれたら、並の人間は戦意喪失してお父さん、おばあさん、ペットのたま、先立つ不幸を許せやコラなどとつい遺書をしたため始めてしまうだろうに、マグはひと味違う! 例えるならサンジの料理とジャイアンシチュー(註:ひき肉とかジャムとか大福とか入ってる)の味並に違い過ぎる!!

 「無駄無駄無駄無駄ァ!!」
 さっき楽勝だったためか、なんら恐れることなしに、マグはいきなり地面にパンチをかます!! なお予め断っておくと、ここからしばらくの展開は単にムービーシーンの描写であり、何が起ころうとけして作者の戦略ミスではない。

 で、そのパンチによって地面に走った地割れに戦車が面白いように吸い込まれる!! 量産型の法則か、先刻さんざん時間かけて葬った前の一台より明らかに弱い。ぼこぼこと景気よく戦車群が沈んでゆく様は、なんかもうシルベスター・スタローンとかスティーブン・セガールとかドルフ・ラングレンとか主演な映画のエンディング5分前である。
 なお「量産型の法則」とは、例えば一度葬ったはずの怪人がクローン技術で復活し、しかも一度に何体も襲ってくるような場合、明白に以前の彼より弱体化していて大抵一撃で倒されることが多いという奇妙な現象を指す。往年のFCゲーム「忍者くん」などでもこのような現象が認められる。単にクローン化しただけなら戦闘力に代わりはないはずで、原因は今もって不明。ただ件のクローン羊ドリーの場合と同様、細胞分裂限界による幼年老化も遠因のひとつかもしれない。


 ところがである!! プレイヤーが手出しできないのをいいことに好き勝手に暴走するマグについに天罰が下った!! なんと、誤って空高くに撃ち出されてしまった戦車の流れ弾が、重力によって再び降ってきたのである。目標はマグ!! 狙い過たずに(?)砲弾はマグを直撃した!!

 「ぐわっ!! …そう、か…いくら初速度のない弾とはいえ、はずみで数十メートルの高さに打ち出されてしまったら重力エネルギーによって充分に殺傷力を持ち得るということか…ぐふっ!!」
 なんだか随分と説明的だが、こうでも理屈つけなければ真正面から直撃してもかすり傷で済むような砲弾のしかも流れ弾で気絶できる方法がないのである。

 …薄れゆく意識の中でマグが最後に見たのは…。


−「エヴォエヴォ日記」完−


 「…って、違うだろ!? そんな一昔前に流行ったゲームブックのように身も蓋もなくただ選択肢ひとつ間違えただけでいきなり即死ぬと言うのはっ!?………あれ? 寝てたのか、オレは」
 「ええ…随分うなされていたようですな」
 「ああ…つい魔が差して無敵モードでゲームブック読み進めたあの罪が、今でもオレを苛むんだ…」(←まだ半分寝ているらしい)
 ちなみにここで言う「無敵モード」とは、ゲームブックにおいて「戦闘は勝ったということにして先に進む、死んだら一歩前からやり直す」ような邪道攻略法である。

 「…ぼくたちの罪はどうすれば癒されるんだろう…?」
 「というわけで、ぼっちゃんが寝ている間にリニア様はさらわれてしまいました! さあ今こそ助けに行くときです!!」
 「いっいきなりかい!? 何かほらあるだろ、台本には確か『くじけかけるマグ、しかしそこに現れた謎のスナフキンが延々語るネロとパトラッシュの話しに触発されて再起を決意する』とか書いてなかったか!?」

 ページの都合です。

 てなわけで(端折りすぎや)ひさびさのペッパーとチェインを加え、グレの操縦でもって飛行機シーオッターが飛び立った!! 目指すは海! 第八帝国巡洋艦クローンプリンツ!!


おまけ。そのころのりにや。





ひとつマエエヴォひとつアト

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