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第5話「気持ちは判る! 判るが!!」


 パンナム港に停泊していたのは建物と見紛うほどのサイズの巡洋艦だった。どうでもいいが船体、岸壁にほとんど触れてないか? ちょっと波が高かったら衝突しそうなかんじである。
 港湾地区にありがちな木箱を漁りつつ呑気に歩いて行く。「マグ・ランチャー以外は入れるな」という命令が徹底しているらしいクルーに何度か呼び止められるが、「私だよ、ふっ」等と言うだけでフリーパスも同然だった。ていうか、それならリニア通したらだめじゃん

 そしてリフトでもって侵入の巡洋艦クローンプリンツ内。
 「ついに時代はクローン巡洋艦を作り出すまでになったのか」
 「……」
 「ごめん、オレが悪かったよ」
 ちなみに「Kronprinz」ってドイツ語で「皇太子」って意味である。英語だと「Crown Prince」。

 行きがけの駄賃とばかりにあちこちの部屋を荒らすも、これといったアイテムは見つからない。実は後ほど(第15話くらいまでにはなんとか……)もう一度訪れる機会があるのだが、そのときになるとアイテムが腐るほどあるため漁りたい放題である。
 「ちっ、しけてやがんな」
 「頼むからちゃんと道なりに進んでくれ…」(by兵士A)
 そんなんしているからなのか、ところどころで呼び止められつつも、ついにマグとリニアは第8帝国皇太子オイゲン・ルイトポルトとの対面を果たす!!


ソレはまあ。



 さて話を聞くに、どうも皇太子オイゲンは少女趣味らしい。これは何も部屋にぬいぐるみ溢れているとかおまじないに凝っているとかジャニーズJr.ファンだとかいう意味ではないので注意されたい。
 「エヴォルシア」についての話に実入りはなく、「じゃあもう用は無い」というのでふたりは巡洋艦を後にすることになる…が。
 「リニア君を譲ってくれる気はないかね? メイドとして何不自由なく仕えさせてやるぞ」
 「ふざけんなっ! 気持ちは判る! 判りすぎて腹が痛いほどに判るが!! 君に娘はやれん!!」(←いつからリニアはマグの娘になったのか)
 少なくともオイゲン、人を見る目は確かである。しかもメイドとは!! 心の中で「コイツって意外と気が合いそう」と考えつつ、マグはリニアを連れ、巡洋艦を後にした。

 帰途に、次の依頼を受けようと、いい加減ネタが無くなった機関ソシエテに寄る。と、カウンターには見慣れないねいちゃんが立っていた。腰に砲塔を下げ持つ、この上なく剣呑な彼女の名はペッパー・ボックス。中盤では頼りになる対集団戦闘のエキスパートである。
 「…なに、その『中盤では』って」
 「いや…レベル99でブースター付けまくっても通常攻撃力あんまり高くないし…」(チェインはマグにタメはれる。リニアは…生身では実は最強かもしれん)
 初対面から飛ばすふたりであった。

 「次はどの遺跡に行くの?」
 「この『ブラインド遺跡』を。ノンシュガーで」
 ブラインド遺跡。情報に寄ればじめじめしたジャングルの遺跡で蚊やダニやムカデやゴキブリ(全て実在するモンスター)が蠢いている嫌な遺跡だという。受付嬢ニーナさん(三つ編みの眼鏡っ娘。密かにポイント高し)によればこの遺跡にいる連中はおしなべて炎系の攻撃に弱いらしい。

 とりあえずファーストアタックの3人目にマグの選んだのは!!
 「チェイン、誘いに来たよ」
 「ラジャー!! やっぱアタイって頼りになるだろ? な?」
 「もちろんさ!! 特にこういう誰も行きたがらなさそうな嫌な場所に行くときだけはなっ!!」

 相変わらずチームワーク最悪そうなこの3人、果たしてどこまで無事に済むやら。


ひとつマエエヴォひとつアト

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