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第6話「武器屋トルネコ・その1」

 ここはど田舎レイクナバ。天下無双の鎧袖一触、一騎当千な導かれし者たち8人の中でもっとも導かれてないんじゃねーかと誰もが一度は考える実はただの一般人な中年男、武器屋トルネコも今はまだ人に使われる毎日。いつかは自分の店を持ちたいと希望を胸に抱き、今日も奥さんのネネに起こされ、武器屋に働きに出るのでした…。

 と云う訳で、第2章を「水戸黄門」とするなら第3章は「わらしべ長者」。つまり成金ヒストリーである。武器屋でのバイト(日払いの歩合給なのでおそらくバイト)からスタート。もはや貧乏のあまり毎日ハンバーガーと牛丼つまり牛肉だけで生計を立てると云う、なんかよく考えると贅沢な気がしないでもない歪んだ構造の上に成り立つ現代社会のような人生である。
 ってことでバイト開始。まあ店番なので単にカウンターにぼーっと立ち、来る客来る客に武器を売りつけるだけである。それはそうとなんでこんな田舎のしかもこんな品揃えの悪い武器屋にこうもひっきりなしに客が来るんでしょうか。いや1日せいぜい客10人かそこらなので実は時間を飛ばしているのかもしれないんですが、全人口20人も居なそうな村でこれは、現代日本の某市に置き換えると毎日2万人が武器を買っている勘定になるこのバイオレンスの村。もはや戦場である。ちなみにその某市、市の癖に4万しか人口がないと云う事実は物語には関係ないのであんまり気にしないでください。
 いやこれでレイクナバが街道沿いだったり港町だったりする交通の要所ならこの客足も納得なんですが、現実は街道のどん詰まり。稚内とかその辺である。もはやこの客数はアンビリーバボーで解明される日を待つしかないんでしょうか。そして「ついに解明」とか云いつつ結局判らないことが判っただけでなんだか煮え切らないとか云う以前に煮てもないままに終わってしまってそのまんまに。

 で、フリが長くなったんですが筆者的には第3章でのトルネコの武器と云えばズバリ「破邪の剣」。バイトしてるとたまに売りに来る客が居るのでそれまでに金を貯めておいて破邪の剣を買い取るやいなや武器屋を脱走、戦いに赴くのが基本…なんですが、今回は勝手が違いました。軍資金の全くない2日目に売りに来られてしまったのです!! もちろん買い取った…んですが、このまま置いておくとすぐに客に買われてしまう訳で、そしたらなくなるし次に手に入るのは何時になるか判らんので、このままバイトを続けるのは危険…と云う訳で所持金100ゴールドなのに店から脱走、自力で金を貯めるハメに。けどトルネコが居なくなるやいなやなんか武器屋にはちっとも客が来なくなるので、もしかしたらこの客みなトルネコファンクラブなんでしょうか。きっとなんかこう変なフェロモン出してるんですよこのオヤジ。

 さて…自力で金を稼ぐにはモンスターを倒さねばならないんですが…武器は弱いわ防具は弱いわトルネコ本体ももちろんこの上なく弱いわの三重苦。モンスターも弱いのが地獄に仏である。ってことでひーひー云いつつはさみくわがたとか倒すと、くわがたの癖に「鉄の槍」を落としてくれていきなり超強くなれたこのシンデレラヒストリー。そう、第3章ではザコでもそこそこのアイテムを落とすのだ!! でも「鉄の鎧」持ってるみみずとか「鋼鉄の剣」持ってるもぐらってなんか例えば江田島平八のフィギュア持ってる深窓の令嬢並に違和感がありませんか。
 ともかくそんな調子でぽこぽこアイテムを入手できるので、実にたった2日であっさり「破邪の剣」を買えるだけのゴールドをゲット。まっとうに働いてたら1ヶ月経っても得られなそうなこの金額、たぶんトルネコ、今までの自分の人生はいったいなんだったのだろうか深く深く疑問に思っていると思います。だってみみず1匹殺すだけで数日働いた分のゴールドに。せめてもっと若い頃から毎日精を出してみみずを殺していれば今頃は今頃は億万長者になっていたろうに(称号:みみずストライカー)。


(心の声:みみずの保護膜ですがね…)。



 ってことでみみずを殺しつつ北の洞窟であっさりとアイテム「鉄の金庫」を入手。これ「死んでも所持金が減らない」と云う、むしろ遺産相続に頭を痛める火曜の夜の被害者あたりに必要なんでは無いかと思われるアイテムなのだが、しかし普通の人は死んだら死ぬのでやはり導かれし者(←ギリギリで)専用。これでもう怖い物はないので、とっととレイクナバを離れ、一路南のボンモールへ向かうことに。

 途中、狐に化かされてなんかステキなことになったが辿り着いたボンモールでは王様が戦争の準備をしていた。そんな旅の商人にあっさり機密流してるあたりでもうこの国何処と戦争しても負けそうな予感ばりばりなのはともかく、王様の云うに橋が壊れてるので更に南のエンドールを攻められないと云う。で、橋を直すのに職人ドン・ガアデを呼んだのだが今もって行方不明(実は先刻の狐に化かされてる)…と云う状況だった。
 で…ぶっちゃけた話し、トルネコがエンドールに店を持つ許可を得るためにこの戦争を回避するためにエンドール王の手紙をボンモール王に渡すためにリック王子のラヴなレタァをモニカ王女に渡すために橋を直すためにドンを呼ぶために狐を退治するために犬を借りるためにトムじいさんの息子をボンモール城の牢屋から脱獄させるために今、必要なのは「キメラの翼」。なんかここまでもぶっちゃけるとはした金で買えるキメラの翼ひとつで店を持つ許可が手に入っているような気がしますが事実です(…)。ってことでトムじいさんの息子を脱獄させて犬の力を借りて狐を(略)エンドール王のラヴなレタァをボンモール王に渡し、ヒゲのダンディーふたりのめくるめく愛の物語の果てに、ついにトルネコはエンドールに店を出す許可を得た!!(←ぶっちゃけすぎな上になんか途中で変なモノに変わっています)
 しかし誰でも思いますが、この脱獄の際のトムじいさんの息子は何故天井に頭をぶつけないのか? こう云った疑問を解決するのもまたこの旅日記のたぶん役目じゃないんですがともかく解決すると、きっと天井に穴が開いて「天丼」になってたんですよ。牢屋なだけに(ちなみに留置場だと少しレベルダウンしてカツ丼)。おあとがよろしいようで(←よろしくありません)。


 さて、そんなこんなで無事店を出す許可をもらったトルネコですが、まだ店自体は影も形も匂いもアレもない処。幸いに店を売ってくれると云う老人は居ましたが、そのために必要なお金を溜めるにはまだもう少しかかりそうなのでした……つづく。


ひとつマエドラクエひとつアト

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