◆トップ◆更新履歴◆リンク◆
第75話「最後の仙窟・その十」
アレックスによって誘われたその場所は、確かに思い出の場所だった。この世界の主人公の知る思い出、知らない思い出…本当に何度も何度も訪れた、溶岩に囲まれた岩棚…そう、この洞仙日記序盤にやたらコピー&ペーストを多用してネタにしまくった、男塾で必ず誰か死んだと見せかけて実はこんなこともあろうかと生きていそうな会場みたいな場所である!!(第5、19、27、28、50話参照)こう書くとなんかとても嫌な思い出の場所のような気もしますがまあ思い出というのは結構美化されるものなので……美化されてこれだと実は心底に嫌な思い出の場所なんでしょうか(←聞いても…)。
アレックス「ま、こんな処か」
主人公「ここは……………」
アレックス「お気に召してくれた? それじゃあいくぜ!!」
複雑な思いの主人公を余所に、アレックスはすらりと剣を抜く。でもこの場所、なんでアレックスに判ったんでしょうね? 筆者には他人様の「思い出の場所」なんて一部の例外を除いてちょっと想像できないので純粋に疑問なのです。ちなみに一部の例外ってのはたとえば「この前の金曜に彗星を壊しに行ったマクレーン刑事」=「地球」とか「白ヒゲ宇宙戦艦の艦長」=「地球」とかです。でもこれだと誰でも判るような気もするのでもう少しハイレベルな推理をすると「最近20周年の宇宙人」=「宇宙」とかです(←ハイレベルなのか)。
そして、最後の戦いが始まった!! 最後の敵だけあって勇者アレックスは強い。それでも「空斬」を連発すれば程なく勝てる…のだが。倒されたアレックスはなお、ダメージの欠片もないようなすまし顔で立ち上がる。そして…。
アレックス「悪いな…今まで本気で戦ってなかった」
主人公「復活しやがった!」
単なる復活ではない。光が爆発し、強力なエネルギーが彼に集まる。そして光が消えたとき、そこに現れたのはその名もスゲェイカス「アレックスZ」だった!! 処でアンケートを取ったらこのネーミングに違和感を感じる方がたぶん全体の9割くらいは軽くいると思うんですがアレです、事実はトンデモ説より奇なりと言いますし(←言いません)。いやでもたまにマジで奇なんですが。
ちなみにアレックスZは金髪が逆立って顔が悪人でなんか物理的に不自然な光を発する怪しい生命体ですが実在のスーパーサイヤ人とはまったく関係ありません。映画版ドラゴンボール早く観たいですね。
そして…本気モードのアレックスZはそれはもう嫌になるほど強い!! たまに最強仙術「天帝陣八極炉」を使うわ、変な光の剣も攻撃力高いわ、あと何よりHPが多いのが問題なのだ!! 実はソレだけな気もしますが。実際のとこ天帝陣使われたらカウンターで「大回復陣」使えば相殺できるし、装備さえしっかりしてればあんまり怖くなかったりする。長丁場の中で油断さえしなければ負けることはないハズ。
そして…今度こそ倒れたアレックスは、主人公のその力を疑問に思う。魔王さえ倒した勇者アレックスよりも更に上を行く強さ。何故これほどの力を持ちながらこんなところにいるのかと。何故ここまで強くなれるのかと。それに対する主人公の答えは簡単だった。
主人公「当たり前だ、俺は大地を守らなきゃならないんだぜ! 俺が負けたら大地が滅びちまうからな」
答えを聞いて何かを感じたのか、アレックスはテレポートでどこかへと消えた。なお、ゲーム本編にはアレックスと魔王の話しはまったく無いんですが、攻略本や設定集でちょっと言及されているので参考までに。つまり今の時期はあれなんですよ、ミルドラースは倒したけどエスタークは倒してないカンジ?(←どんなだ)でもドラクエ5は復刻しないんですかね。個人的には4の次に好きです。
さて、アレックスも倒し、エネルギーは満ち、もはや地下には用が無い。ふたりは飛天功で思い出の地を後にする…。
そして…地上。やたら筋肉質な兄貴の像が建立されている飛天石から外へ出ると、つい先刻まで死の大地と言われていた荒野には、もはや緑しかなかった。たとえるならバーミヤンの石窟群の周りがいきなりアルプスの少女の世界になったようなカンジ。しかしこう見るとアレですね、兄貴像ってアルプスの少女の世界には絶望的なまでに似合わないですよね。想像してみてください、クララが立ったシーンの背景のアルプスに溶け込むように仁王像が立っているシーンを。フフ、これでみなさんもあの感動的なシーンを見るたびにえもいわれぬ感情に襲われること必死ですよ? ちなみにこのサイトは他人様にえもいわれぬ感情を与えるサイトではありませんが、なんか自分だけそんなステキなシーンを想像してしまうのも切ないのでみなさんを巻き込んでみました。まあ最終回ですし!!(←関係ありません)
そして、兄貴像はすっぱり無視して、さくらは万感の思いを開放するように。
さくら「うわあ……。洞仙って、本当にすごいのね!!」
主人公「なんだい、いきなり」
さくら「聞こえるの! 大地から生命の息吹が!! 見えるよね! 花や木の嬉しそうな顔が!! これって、やっぱりすごい事よね!! どんなにエライ王様でも!! どんなに強い将軍様でも!! どんなに頭のいい学者さんでも!! どんなにお金を持ってる人でも!! こんな事、できっこないもの!! 私…。あなたに会えて本当に良かった! こんなにすばらしい物を見せてくれるなんて!」
と、もしかしたらこのゲーム最高クラスの感動シーンなのだが、それに対する主人公の答えは。
主人公「さくら……おれ、おなかすいた」
さくら「そう言えば、私も」
主人公「とりあえず家に戻ろうか」
なんか台無しである。でもまあ、こんなだからこそこの物語は佳いのかもしれない。勇者や将軍と違い、誰からも褒められるわけでもない…むしろ恐れられ迫害される洞仙は、認められたいからやっているのではないから、見返りも求めない…のかも。
しかし…家へと帰る途中。宿の前で親父に会い、二人は立ち止まる。不安そうなさくらを余所に、親父はなにかぱっとひらめいたように口を開いた。でもやっぱりこの古代中華風味の世界観で電球マークってちょっとこう変ですよね。玲蘭の頭にピコーンと光るのはなんか許せるんですが。なぜだろう。玲蘭だからだろうか。
親父「あんたが洞仙だったのか」
さくら「! ………」
さくらは答えられない。もうバレてるのかもしれないけれど、やっぱり今までの経験からしても認めるのには抵抗があるのだろうか。しかし、主人公は躊躇いなく答えた。そして。
主人公「ええ」
さくら「!」
親父「あんたみたいな洞仙も本当にいるんだな。街のみんなも、少し考え直しているようだ。悪い洞仙ばっかりじゃないってな。今度、俺の店に来てくれよ。ごちそうするからさ!!」
さくら「良かったね」
主人公「………うん」
やっと、理解してもらえた…のだろうか? 主人公の反応がおとなしいのはたぶん根がひねくれてて素直に喜べないからであろう。あと筆者はもっとひねくれてるので、実はこの親父洞仙のおかげで宿がアレだけ繁盛したからこんな好意的なんじゃないかとか思ってたりもするんですがやっぱり汚れてしまっていますか。世界はこんなにも生命に満ちているのに。
お金といえばまったく関係ないんですが、石器時代ってホントにあんな巨大な石のお金を使ってたんでしょうか(←無茶言うな)。現代に生まれてよかった。そして……。
夕食を終え、しばしのひととき。大地が甦った以上、もうこの村に居る必要もなくなった。思えば長い戦いだったが(主に連載期間的に)終わってしまえばいつものように、また次の仙窟を作りに行くことになる。
主人公「ふう、おなかいっぱいだ」
さくら「ねえ、これからどうするの?」
主人公「うーん、そうだなあ。西の方に、草木が育たないっていう街があるって聞いた事があるんだ」
さくら「じゃあ、仙窟を作りに行くのね? また、荒れ地に花や木が戻ってくるのね?」
主人公「うまく龍脈をなおせればね」
さくら「じゃあ、そうと決まれば!!」
2人「「はりきって行ってみましょう!!」」
主人公「うわーハズい!!」
さくら「たしかに…」
さてはてどうなることやら。ともあれ、この後もふたりは世界を巡りながら大地に緑を取り戻していった…とのことです。その旅はけして平穏なものではなかったのですが…………。
…………終わり。
三界老師「と見せかけてまだちこっとだけ続くんじゃよ?」
さくら「老師そのネタは若年層には少し判りません。しかもちょっとと言いつつものすごく長い間続くんですよね」
主人公「さくらさんそのネタは若年層にはかなり判りません」
というわけで、次回は謎が謎を呼ぶサスペンス、「狂気の魔獣」です。
▲ひとつマエ■カオスシード■ひとつアト▼
◆トップ◆更新履歴◆リンク◆