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第63話「八面鏡・別解」
最初にお知らせ……今回は「八面鏡」の別エンディングなので、第60話を踏まえた上で、第61話の途中、3人組が侵入してくるシーンから入れ替わるカンジでお読みください。
さて、意気揚々と乗り込んできた西国の勇者3人組だが、全く何の抵抗もなくあっさりと主人公の待ち受ける龍穴炉に到達する。
アレックス「ここか!!」
主人公「げげ、あの仙窟を抜けて来やがったのか!! 今回『龍穴炉で直接撃破』なエンディングを目指すためにまかり間違ってここに来る途中で通りすがりの何か変な生物相手に全滅されたらかなわんので仙窟内にはトラップはおろか仙獣も何も彼らの通行を妨げる物を一切置いておかないと云う万全の状態で臨んだのに!?」
馬明仙「ソレは何かむしろ至極当然のような気が…」
誰とは云わないがまるで配管工兄弟を惑わすために作った仕掛けをむしろ通行に利用されては結局毎度溶岩の池に落とされてしまう亀の大魔王Kさん(故人の名誉のため仮名)のようである。処でクッパさんは不死身なんでしょうか(←云ってるじゃん)。
で、問答の末、この勇者3人組がやはり八面鏡を得るために三界老師を追っていた連中だとのこと。八面鏡は確かにここにあると主人公が云うと、途端にケブレスが強気に出る。
ケブレス「それでは、貴様を倒してそれをもらって行こう」
主人公「けっ、強盗団みたいな連中だな!!」
ケブレス「まあ勇者だし」
主人公「勇者ってそうなの!?」
そうじゃないの!? いやあボクはてっきり勇者と云えばみなユーさんと云う愛称で呼ばれていると思ってました。ヤーさんと同レベルで。ともあれ妙にマイペースなアレックスがケブレスをなだめ、聞かれてもないのに自己紹介をはじめる。勇者ってみんなこんななのだろうか。ボクの勇者観が今とても歪んだ方向に修正されている気がします。でも思えばそこらへんの魔王も結構自己紹介からはじめるし、みんな実は誰かに構って欲しい寂しがり屋の16才(女・秋田県在住・ナマハゲの中の人について語り合えるメル友求む)なのだろうか。
アレックス「我々の自己紹介を先にするとしよう。俺の名はアレックス」
シャスタ「私はシャスタよ」
ケブレス「ケブレスだ」
主人公「って云うか名前だけ!? ともあれ名前はいいから、いったい何で八面鏡をねらっているのか教えてもらおう」
アレックス「君は、名無しかい?」
主人公「そうだよォー悪かったなあ名前無くて!! だいたい勇者だって普通は名前など持ってないもんだろう!? ちなみに全国350万人の勇者データから厳正な統計を取った結果を推測した結果(←ソレはどの辺が厳正なのか)、勇者名『ああああ』がダントツで多い名前だそうです。2位は『ふるちん』」
アレックス「すまん俺がとても悪かった。あるモンスターを倒す為に、八面鏡が必要なんだ」
シャスタ「それが無いと、実体を見ることができないのよ」
主人公「うまい事言ったって八面鏡は渡さないぜ!!」
シャスタ「じゃあ下手な事言ったら渡してくれる? 私の家には実は今まさに不自然に年老いない父が居ないのでとてもお願いします」
主人公「ソレはなんか上手い下手以前に論点が少し違うような気がしませんか?」
ケブレス「力ずくでも取り返す、と言ったら?」
主人公「面白い、やってみるか?」
シャスタ「あのねえ、私達けっこう強いのよ? 素直に渡した方がいいと思うけど」
主人公「どうして、そう言われてハイって渡すと思うんだ?」
シャスタ「だって勇者だし」
ともあれ交渉決裂、主人公と3人組は戦うことに。戦闘自体はそんな手間掛かるものでもないのでごくあっさりと片付く。このゲームの戦闘は装備さえしっかりしていれば毎度簡単に終わるのだ。で、倒された3人は、特にダメージも無い様子で起きあがり、主人公と対峙する。まだまだ戦う気満々の3人だが…。
主人公「……あのさあ。そんなに欲しいなら八面鏡あげようか?」
アレックス「え!?」
何か思うところがあるのか、主人公は実にあっさりと八面鏡を手放すと云う。突然の態度の変化に怪しむ3人組だが、罠でもないようだしと、素直にもらっていくことに。
シャスタ「洞仙って欲の深い人ばっかりかと思ってたけどそうでもないのね」
アレックス「よし、妖怪退治に行くぞ!!」
ケブレス(このまま帰るのか?)
シャスタ(もう、せっかく親切にくれるって言ってるのに…)
ケブレス(いやオラまだ戦える!! 一対一であいつと決着つけたいんだ!!)
シャスタ(あなた誰!?)
主人公(ソレはそうとひそひそ話しなのにビックリマークって何か意味なくない?)
シャスタ(しかも何の気なしにあなたまで混ざってるし)
アレックス(まあ先約も在る事だしさ。今回は俺達の負けってことでいいじゃん。お楽しみは残しておこうぜ!!)
ケブレス「それじゃ、さっさと妖怪を片付けてくるか!!」
シャスタ(このシーンのケブレスってどうも演技っぽいわね…)
アレックス(確かに…)
主人公「オオ、頑張ッテクダサイ」
シャスタ(何かもう演技っぽい通り越して人としておかしいわね…)
アレックス(そこまで云わなくても…)
てなわけで3人組が帰っていきました。残された主人公は肩を撫で下ろす。筆者的にはあと3戦でもぜんぜんOKなのだが、主人公としてはかなりきつかったらしい。と、そんな処に三界老師がテレポートして来る。3人組を直接倒したと告げると信じられない顔をするが、八面鏡を渡してしまったことを伝えると、老師は悲鳴をあげる。
三界老師「なにーっ!! なぜじゃ、なぜあげたりしたんじゃ!! 英語で云うとホワァイ!?」
主人公「どうしても欲しいって言ってたんで」
三界老師「どうしても欲しいと言ったらあげるのか!? ならばせっかくガシャポンやプライズマシンで手に入れた大阪とかセリオとかコクリコとかでも!! 突然自宅に乱入して来た別の意味での勇者(主な戦場:有明)がどうしても欲しィーと言ったらあげるのかお前は!?」
主人公「ソレはいったい誰の話しですか!? でも、あの八面鏡、何に使うつもりだったんですか?」
三界老師「わしは仙宝(いわゆるマジックアイテム)をコレクションするのが趣味なんじゃ。せっかくめずらしい物が手に入ったと思ったのに…」
老師、単に欲しかっただけらしい。いやしかし愚かと笑うなかれ、君だってそうだろう、なんかどうしても欲しィーとムキになって金をつぎ込んで手に入れた後ふと我に返って何故か「夜空ノムコウ」とか歌い出したくなる瞬間が!? と云う訳で筆者は老師の味方ですよ? 処で筆者の家の近所にはプライズマシンと云えばパンツ捕獲マシーンしかありません。ぼくたちを助けて。
主人公「…そんな気がしてたんですよ。はっきり理由を言わないから。だからあげちゃったんです」
三界老師「……わしの……八面鏡が……」
主人公「……あ、俺さくらに黙って来たんでもう帰らないと…」
三界老師「……とても気に入ってたのに……」
主人公「じゃ、また!! アディ・ユー!!」
三界老師「あれはわしのじゃあーーー!!」
……完。そして世界は平和になったと云う。次回はちょっとインターミッションってことで、「招かれざる客」です。
▲ひとつマエ■カオスシード■ひとつアト▼
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