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第52話「土功の怪・その二」


 龍雷漢(りゅうらいかん/30才/男)「やはり、妖怪騒ぎには洞仙が絡んでいましたか」
 大僧正「…。ここに、蘭陽院に伝わる予言の書があります」

 地上、蘭陽院の広間。洞天福国将軍の雷漢と兵隊長の東天転(とうてんてん/25才/女)はここのボスの(←?)大僧正の前に居た。なんか派遣でもされてきたらしい。あるいは左遷と云うオチも捨てがたいがともかく大僧正。コレがけっこう偉い人らしく、洞仙と見るや「ヘルシング」のアンデルセン神父のようにきしゃあと襲いかかってくる雷漢も、ここでは実に将軍らしい言動だった。
 で、大僧正の云う「予言の書」に書かれていたのは…。

 「魔界三天封・災・輪廻」

 …なんかこう「予言の書」って云うか新幹線の高架橋の土台の部分にスプレーで書かれてそうな単語の羅列だが、もうマジでたったソレだけしか書かれていないらしい。もしや「書」って「書物」でなくホントの「書」なのか。「天上大風」とか「にんげんだもの」とか「来たときよりも美しく」とか書かれてるだけの。しかし思うがもしマジで来たときよりも美しくできたらソレは奇跡ではないか。

 天転(…よく判らない…)

 そりゃそうである。予言も何も単なる趣味の悪い書道と思うのが普通であろう。天転、君はバカに見えるけど決してバカではないので安心するといい(…)。関係ないが高校の時、書道の自由課題の四字熟語で「国士無双」と書いたヤツが居た。ビミョーに四字熟語ではないような気がするのだが。ともあれ、大僧正はさも自信たっぷりに解説を始める。なんかこう、今きっと都市部の地下道や公園で自分の半生を見つめ直しているであろうノストラダムス研究家みたいである。ひとりくらい自力で世界を滅亡させておおうコレで予言は当たったぜェーッヘーッヘッヘーとか云う根性のある研究家とか居なかったのだろうか。

 大僧正「洞仙が現れてはじめて予言の意味がつながりました。洞仙の来襲は予言されていたのです。初めの言葉『魔界三天封』、これは洞仙のことです。そして『災』…これは妖怪、そして大地の異変を意味します」
 雷漢「それでは、『輪廻』とは?」
 大僧正「輪廻するのです」
 天転(どうして魔界なんとかが洞仙のことなんだろう…。ちなみにこのへんの台詞はまったく原文のままです。俺の困惑をぜひ今心の底から理解してください
 雷漢「うむ…つまり、洞仙が起こす災いが世の破滅を招くと云うことですな?」
 天転(だからなんでやねん!?)

 困惑しまくりの天転を余所に、雷漢の方はこれで納得したらしい。実はなんか催眠術とか掛かってないかおっさん。ソレともやはり偉い人に云われたことだから不思議な説得力とかあるのだろうか。
 でも真面目に考えるとこの予言、「魔界」はともかく、「三天封」は主人公を飛ばした天封呪(第5話)、さくらを飛ばした天封呪(第27話)、たまごを飛ばした時天封(第9話)の三回の「天封」のことではないかと筆者は推測している。ソレなら「災」、「輪廻」もなんか納得できるし。

 ともあれ予言は別として洞仙が居るのは間違いない。ならば倒さねばならぬのが兵士のつとめってことで、雷漢と天転は出撃の準備のため、蘭陽院を後にした。そしてひとり残された大僧正が呟いた言葉は、誰にも届かなかった…。

 大僧正「洞仙が余計なことさえせねば計画通りだったものを…」


 まあこの大僧正の計画についてはグッドエンドの終わりで判るのでここでは置くとして、このシナリオ、そのグッドエンドに到達するにはまず20ターン以内にエネルギー10000を振り込まなければならないので、かなり無茶な突貫作業になる。ってな訳でひーひー云いながら仙窟育成をしていると、今日も今日とてシナリオ侵入者がやってきた!! 父の仇である洞仙を倒すため…なのはいいのだが、肝心の仇が誰なのかちっとも判らないので「じゃあ全世界の洞仙を倒せばいいや」と云う、考えてるんだか考えてないんだか勘が得てでないのか(…)な理屈で戦う拳士、公明紅(こうめいほん/24才/女)。この世界では第22話で一度会ってるのだが、なんでもあの時から明紅は主人公を探していたと云う。

 主人公「でもあのときの件で『証明:俺≠仇』ってのは判ってくれたと思うけど…」
 明紅「そんなん信じられるわけないでしょ!! 『証明が正しいこと』を証明するのはいつだってめんどくさいのよ!? 筆者文系だし!!
 さくら「筆者関係ないでしょ今は!?」

 で、戦闘はあっさりと終了。倒された明紅は殺すならさっさと殺せと云うが、主人公はやたらと殺生をしないと云う洞仙の心得を持って諭す…が。

 明紅「じゃあなんで街に妖怪を放ってるんだよ!?」
 主人公「それは俺じゃないって!! つーか殺せとか云う割にすさまじく元気やなー君!?
 明紅「ハッ、洞仙が妖怪を連れてるのはみんなが知ってる事実!! やっぱりアンタ達は信用できないね!! 今度は負けないよ!!」


筆者のイメージ。



 てな訳で明紅は帰っていきました。で、この「洞仙が妖怪を連れてる」ってのはどうも、仙獣のことが誤解されて伝わっているらしい。アレだ、似たようなおっさんが何もない空間をぼかぼか殴っていたとしても、服装がトレーニングウェアにフードなら中年の夢を捨てきれないボクサーだと思われるのに対し、一方でスーツにバーコード頭でそんなんしてたらああリストラされたんだなあと同情されるだろうし、あるいは女性の下着だけ身につけてやってたら即警察呼ばれるだろう、そんなたぐいの誤解である。世界はこのように差別と偏見に満ちあふれています。
 で、仙獣ってのは要するにポケなモンみたいなカンジの召喚獣なのだが、普通の人にとっては妖怪に見えるらしい。確かに仙獣は侵入者に対してはモンスターだろうし、関係ないがポケなモンにも人に被害を与える能力はあるし(例:光の点滅で意識を失わせる、7階から飛び降りさせるなど)、まあ無理もない処ではある。


 さて、今回なんか主人公あんまり出てこないが、また地上の話しを持ってきて今回の締めとさせていただこう。ひとり物思いにふける大僧正、そして回想シーン…余談だがおっさんの回想シーンってどうも幸せなモノが少ないような気がする。こう、お花畑を笑いながら走っているおっさんとか、もっと幸せな回想シーンは無いのだろうか。んで、そこは蘭陽院の奥…。

 坊主A「では、儀式をとり行わないと…」
 大僧正「儀式に頼らずとも、方法はいくらでもある」
 坊主B「では、もし湘君が目覚めたとしても…」
 大僧正「その時の為に、私は法力を身につけたのです。ご安心なさい」
 坊主A「では、また…」
 大僧正「なんですか?」
 坊主A「いえ単に別れの挨拶です

 以上回想シーン。ぽつりと、誰もいない広間で、また大僧正は呟く。

 大僧正「洞仙…許しませんよ」


 さて、この大地の異変と妖怪騒動の影で糸を引く納豆もとい大僧正の計画とは!? そしてゲームボーイで発売されるエストポリスの行方は!? この調子でカオスシードもぜひ移植されませんか!?(←誰に聞いてるのか)以下次回!!


ひとつマエカオスシードひとつアト

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