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第50話「因果応報・別解その七」
すみません前回描く云ってた記念イラストは間に合いませんでした。まあ今度「実録洞仙日記」第53話記念とか「シェンムー2」発売延期記念(←縁起でもない)とか「6月15日(ジャイアンの誕生日)記念」とか実に中途半端って云うかあんまり関係ない記念で描くと思うので期待せずにお待ちください。
で、心の世界46億年のグレートジャーニーは終わり、さすがにもう天挑五輪がどうとかコピーするのもアレなんでこのまま流して、いつもの、あの溶岩に囲まれた岩盆の上に、主人公とちび龍は居る。ちなみに我らがヒロインのさくらはなんかどっか行っちゃったのかここには居ないのだが、まああんまり関係ないので(←あるだろう)特にお気になさらず。
そして主人公は、小さいままのちび龍に近付いて…。
ちび龍「ぎゃうう…」
主人公「カオスシードが欲しいんだろ? 今あげるから…!? 何だ!?」
その瞬間、ちび龍とは別に、黒い巨龍が現れた!! おびえて主人公の後ろに隠れるちび龍。黒い龍は構わず、主人公に話しかける。
黒い龍「愚かなギゼン者! お前が余計なことをしなければ……簡単にとって変われたものを……」
主人公「いやでも…こうしてちゃんと別個体として現れることができるんだったら、わざわざとって変わる必要って実はあるのか…?」
黒い龍「さあ…?」
実は無いかも。でも戦闘開始前にちび龍は居なくなるので…そこんとこ、戦闘だから隠れたのかホントに消えたのか単に処理の都合上表示されなくなっただけなのかよく判らないため、もしかすると同時には短時間しか存在できないのかも。しかしさくらも現時点でまだ出現してないので、この黒い龍の中身がさくらと云う可能性も否定できないであろう!!(←そうなのか)ヒィ怖いよさすがさくらさんだ!?
主人公「とにかく、お前が邪悪な力か!!」
黒い龍「邪悪とは、心外だな。素直なだけだよ。立派に育ててくれた礼をしなければな」
で、黒い龍と戦闘になり、倒した後にトランスフォームされたりもしたが、まあ筆者的には実に戦い慣れた相手なのであっさりと倒した。倒れた黒い龍は、また不吉なことを告げる。
黒い龍「僕を倒したつもりだろうな。『僕』が『黒い龍』の存在を、いくらこばんでも……『僕』がこの世界に居る限りまた逢う事になるよ。悲しいけど……そうなるように作られたんだから」
そして黒い龍は消え、後には主人公とちび龍だけが残る。
主人公「カオスシード。これをあげるって約束だったな」
ちび龍「でも……これを僕に渡すと……君の心が、なくなっちゃうよ? それでもいいの?」
主人公「かまわない!! それで、約束が果たせるなら……また三人で仲良くやろうな。ほら、おたべ」
ちなみにここで「やっぱり……それじゃあ困るなあ」を選ぶとちび龍、「そうだよね。当然だよね…敵同士なんだから…」と淋しいことを云ってそのままバッドエンドの流れにレッツゴー、いやんほんの軽いアメリカンジョークじゃあないかと弁解してももう遅いので注意されたい。
そして、荒れ果てた大地に緑が戻って行く。しかしなんか何時の間にかさくらが居るのだが、本当この人今まで何処に隠れていたのだろう。黒い龍を倒した途端に出てくるあたり、やはりとても怪しいのだが。ともあれちび龍に憑いていた邪悪ななんかは無くなったし、これで全ては解決した…ハズなのだが。
主人公「ダイチガ、ヨミガエッタ」
さくら「じゃあ、フランソワ(ちび龍)の身体も、もう大丈夫なのね!? 大地の陽気を吸収したり凶暴になったり玉座の後ろから行ける隠し階段の奥でロトの血を引く勇者を待ってたりはしないのね!?」
主人公「モトカラシマセン」
さくら「…? なんか、しゃべり方ヘンじゃない?」
そう。なんか主人公の台詞が全部カタカナで書かれているという異常事態である!! まるで一昔前のロボットのようだ!! だいたい今時カタカナで喋るロボットなどそうそう居まい。人面魚でさえクリアーな日本語or英語を喋る時代なのだ、カタカナで喋るのは黄色い電気ネズミくらいである。このゲーム的にはキョンシーのしゃべり方がちょうどカタカナ言葉なので、さてはこの主人公、実は既に死んでいるのかもしれない…!!(←死んでません)
と、そこに王蒼幻(わんそうげん)がテレポートしてきた。余談ですが今筆者「ヴァルキリープロファイル」やってるとこ、ソレに出てくる変態ネクロマンサーのレザードがなんかかなり蒼幻に似たキャラをしてるので、キョーミある方は比べて見るも楽しいかもしれません。
蒼幻「どうやら、終わってしまったようですね…やはりカオスシードを龍に与えてしまったのですか」
主人公「ヤクソクシタカラ」
さくら「どういうことなの?」
蒼幻「彼は、自分の喜怒哀楽と引き換えに、黒い龍を封じたんですよ」
さくら「? それってどういうこと? ヘンリー(主人公)、どうなっちゃうの?」
蒼幻「フフ、これ以上は、どうにもなりませんよ。ごらんの通りです」
さくら「じゃあいいや」
蒼幻「いいんですか!?」
だって喜怒哀楽失ったってことは例えるならマルチ量産型のようなカンジである。むしろ筆者的には普通のマルチより…いやもとい、ともあれここからさくら主観の逆ギャルゲーなカンジで、失われた主人公の感情を取り戻して行くシミュレーションが始まる!! 同級生のヘンリーは必要なことだけをしかもカタカナでしゃべる変人で、クラスの誰からも疎まれていた。しかしある日の帰り道さくらは、雨の公園にて捨てクッシー(←捨てるなよそんなもん)のフランソワにエサをやっているヘンリーを見、彼に何か事情があるのではないかと考えるようになり…。ちなみにキャスト:クラス委員(蒼幻)、いじめっ子のお嬢様(玲蘭)、レディースのヘッド(明紅)etc…と云うカンジでどうか!?
で、まあそこは置いて家に帰り、主人公の師匠、三界老師(さんかいろうし)に様子を見てもらうことに。
老師「喜怒哀楽が無くなったといわれてもよくわからんな…」
主人公「オレ、キニナラナイ」
老師「わしらが気にするんじゃこのバカ弟子!! ちょっとは後先、考えんかい!!
主人公「カンガエタ」
老師「……だめだこりゃ!!」
さくら「そのネタはちょっと若年層には判らないと思います」
で、ちび龍の方は邪気はないし、問題はないとのことだが、主人公はもうダメかもしれんと実に無責任なことを言い残し、老師は帰っていった…。さすがにこの辺からシリアスモードになります。
さくら「……」
ちび龍「ぎゃう…?」
さくら「ううん…あなたのせいじゃ、ないのよ……」
そして、月日は過ぎていく。仙窟への侵入者を倒すことを「シゴト」と片付けるだけで、何も感じず、悩まない主人公。もう元には戻らないのだろうか。ソレを思うと辛くなるが、それでもさくらは気丈だった。しかし…。
さくら「それじゃ、お買い物してくるからふたりとも待っててね」
あれから数ヶ月の過ぎたある日。さくらが出掛けた後、主人公はちび龍に引かれ、朽ち果てた老木の前に連れてこられた。時の流れの中に忘れ去られた大きな樹(第14話参照)を前に、ちび龍は口を開いた。本当は今でも喋れたのだ。
ちび龍「僕は、仙獣の世界に行こうと思うんだ」
主人公「ドウシテ」
ちび龍「さくらを見ているのが、辛くなったから…。それと、やっぱりこの世界は、僕が暮らすには無理があるみたいだ…。あの大きな樹、知ってる? あの樹も僕と同じように、大昔に作られた物なんだ。人の身勝手で作られ、そして忘れられた存在……」
主人公は何も言わない。言えない。ソレについて何かを思うことさえ、今の彼にはできない。
ちび龍「昔の僕はきっと、人が怖かったんだ。でも、ふたりに逢って僕は変わった……君の思いが、僕を変えてくれたんだ。いっしょに暮らした間、本当に楽しかったよ……」
主人公「ソウカ」
ちび龍「おかしいね、僕の方が悲しくなってきちゃったよ……」
主人公「…………」
ちび龍「さくらには黙って行くけど……ゆるしてもらえるかな」
主人公「ワカラナイ」
これは私見だが、たぶん無理である。主人公が後で酷い目にあうと思うのだが、まあ今の主人公はそういう考えは回らないと思うので良いのであろう(←いいのか)。そして、最後にちび龍は明るく言った。
ちび龍「行く前に、これを返さなくっちゃ!!」
主人公「カオスシード」
ちび龍「……君の心。とっても、あたたかかったよ」
言って、カオスシードを手放したちび龍は、再び黒い龍に変化した。けれど、彼はもう、大地を滅ぼす邪悪な龍ではない。そこに居るのは、ただのちび龍だった。
ちび龍「あの樹の魂が呼んでる…。さよなら…さくらを泣かすなよ」
主人公「ハッ!? おい待…」
正気を取り返した一瞬に、主人公はちび龍を呼び止めるが…間に合わない。彼は行ってしまった。云いたいことはいっぱいあったのに。本当は…。
……終わり。
後まあスタッフロールのチビキャラ劇場で家に帰った主人公がさくらに何事かを話し、彼女は家を飛び出すのだが、ちび龍に会える訳もなく…ってなとこである。ちなみにこのゲーム、シナリオをひとつ終えるごとにスタッフロールがあって、そこで後日談みたいなカンジにチビキャラが動き回るのだ。
ってな訳でやっと終わりましたよ「因果応報」!! ここから先はエクストラステージみたいなカンジなので、まあ気長にお付き合いください。次回新展開、「土功の怪」、乞うご期待!!
▲ひとつマエ■カオスシード■ひとつアト▼
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