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第46話「因果応報・別解その三」


 さて前回、龍雷漢(りゅうらいかん)たち洞天福兵によって仙窟は全部屋を完膚無きまでに破壊されてしまった!! が、わずか1ターン後…。

 主人公「よし修復完遂っ!!」
 さくら「早ッ!! そんなたった1ターンで部屋の耐久力が完全に回復するような程度の被害しか与えないで帰ってったのあの人たち!? 実は照れ屋さん!?」

 照れはあんまり関係ないような気がするが、なんせ1ターンである。と云うか実は予め召喚しておいた20レベル青耕鳥(せいこうちょう:仙窟修復のエキスパートな鳥っ娘仙獣)のお陰で破壊されたそのターンのうちに修復終わってるのだが、仙窟を学校に例えるならなんか教室の窓ガラスを割って黒板に相合い傘を描き残し教卓の先生からの死角に『↑ハゲ』と書いた紙を貼った上で机を9の字に並べて逃走した程度のことしかしてないような気がする。いやまあ仙窟は地下迷宮だし、あんまり豪快に破壊したら自分たちも生き埋めになってとても困るのでセーブしたのかもしれないが。

 主人公「さあさあ今まさに取り返しに行くぜ!! ムキー!!」
 さくら(…なんだかカオスシードを取られてから人が変わったみたい…いや元から変な人だったけど今回いつにも増して変…打ち所が悪くてつい殺意の波動にでも目覚めたのかしら…?
 主人公「なにげに失礼なこと考えてない!?」
 さくら「ウフフ考えてないわよ?」

 さくらの気付いたこの主人公の変化は、実は後ほど意味を持ってくる。ちょうど「鉄甲巨兵SOME-LINE」の琉球空手マスターのアレみたいなえらい絶望的な癖にとても判りやすい伏線なのだが、今はまだ判らないので置いといて再びやってきました地上は洞天福。今度の目的はカオスシード強奪なので街の人に聞くと、なんでも雷漢たちがそのまま持ってるらしい…と云うことで、ふたりは街外れの兵舎までやって来た。しかし…。これから主人公のしようとしていることは強盗である。ジャイアンにマンガを奪われたから(ジャイアンさんの証言『いつも僕はマンガを奪うのでなく永久に借りておくだけなんです』)とオーパーツで武装して不法侵入、仕返しした上で取り返すようなものだ。そんなんにさくらを連れて行く訳にはいかない。

 さくら「じゃあ…やめましょう。そんな危険なこと…」
 主人公「でもカオスシードが無いとアイツを助けることができない。俺は行くさムキー!!」
 さくら(もう何を言っても無駄みたいね…)

 という訳で、さくらを残し、主人公はひとり兵舎へと不法侵入…するのだが、入った途端、この場には実に似つかわしくない男がひとり、立っていた。捜神死郎(そうじんしろう)、第44話で出会った東国の侍である。なんでも捜神、雷漢に勝負を挑もうと不法侵入したはいいが、どうにもザコばかりでなかなか先へ進めないらしい。で、主人公の剣気にただならぬ物を感じたのか、目的が同じ雷漢なら共同戦線と行こうと捜神は云い、いぶかしむ主人公に、たたみかけるように続けた。

 捜神「で、雷漢殿の周りのザコは道士殿にお任せするでござる」
 主人公「何ッ!? 雷漢を倒すのは俺だ!! ムキー!!」
 捜神「しからば、共同戦線成立でござるな?」

 この辺やっぱ捜神の方が上手で、結局一緒に行くことに。ともあれ捜神、他のシナリオでも仲間になるのだが、云うだけのことはあってかなり強い。あと何故か申(猿)専用の防具を何の違和感もなく装備することが出来るので、実はきっと東方に名高い猿の一族(例:最近ムキャに偽者が出現するほど高名なプロゴルファー)なのだろう!! ちなみに実のとこ、捜神と伊邪那岐(いざなぎ)の装備が猿の仙獣と同じなのは、容量の都合で個別に設定できず、と云って主人公と同じ装備にするのはアレだからと云うことらしい。

 さて捜神を仲間に兵舎をずんどこ行く途中、ついでってことであちこちの宝箱からアイテムを強奪することに。まあラダトーム城宝物庫の兵士の言動から察するに、別に強盗許可証を持たずにアイテムを奪っても文句云われるだけだし、世界的には特に問題はないであろう。しかしこの兵舎の宝箱、兵士がご大層に守っている割に、入ってる物と来たら「肉まん」、「桃まん」から「極楽丹」まで、半端な回復アイテムばっかりである。もしかして主人公、なんか騙されてるんじゃないか。実は宝箱と救急箱をすり替えられてるとか。だいたい宝箱の中から「肉まん」が出てきて何の違和感も感じないと云う時点でこの男、少し怪しい。

 で、かろうじて「鉄の槍」と「双龍列波」だけ入手し、後はゲットしたその場で消費しつつ階段を下り、兵舎最深部まで到達。セーブポイントがあるため、実に判りやすいここが最期の部屋である。しかしなんでこんな地下深くに居るのだ雷漢。やはり平和を守る組織の司令部は地下に無ければならないのか。ともあれ、その部屋に入ると、雷漢はふたりの剣気に目を向けた。捜神はともかく、主人公が名乗ると合点が行ったように剣を抜く。

 雷漢「貴様、洞仙か!!」
 兵士「いやソレ以前にあれだけ叩きのめした洞仙がなんでこんなに早く元気びんびんでリベンジに来れるのかをまず疑問に思ってくださいよ!?」
 主人公「まあソレゲーム的な都合なのでちっとも気にしないでください。ほらそこらの勇者だって宿に一晩泊まるどころか、自分の方がむしろ危ないんじゃないかと思われる変な老人の光でさえ全快バリバリじゃないですか!!
 兵士「それもそうですね!!(←納得するのか)」
 雷漢「しかし以前とは別人のような剣気を出しよる。さてはカオスシードに魅入られたか…洞仙、今度は容赦はせんぞ!!」
 兵士「加えて捜神と云えば、東国から身柄引き渡し要請が来ている人斬りですね」
 捜神「はは、やはり拙者もお尋ね者であったか!! お尋ね者ふたりでちょうどいいでござるなあ」


でもそも剣気ってなに?



 そんなこんなで戦闘になるが、今回は強制敗北では無いので「空斬」(真空の刃が壁に反射してぽんぽん飛び回る癖に味方は何故か無傷というステキにイカサマくさいもとい便利な仙術)を連発するだけであっさり勝利となった。即座に宝箱からカオスシードを入手する。

 主人公「よし、これでアイツを助けることができる!!」
 捜神(ほう? この男、剣気が失せたわ)

 まあ目的を果たしたからには長居は無用、ふたりは兵舎を後にする。捜神はこれからどうするか決めていないが、まあまたユカイなことを思いつくだろうとかなんとか言い残し、街へと消えていった。

 で、主人公はさくらと合流して仙窟に戻る。この辺ラブコメなので端折って(…)、ふたりはちび龍の消えた扉を開けるため、エネルギー集めを再開する。あと少しで、ちび龍を助けることができるのだ…が、その先に待つモノを、ふたりはまだ知らなかった……つづく。


ひとつマエカオスシードひとつアト

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