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第34話「杞人之憂・その四」


 その頃地上、洞天福国兵舎は騒然としていた。

 兵士A「報告します!! なんとずばり仙窟討伐部隊が全滅しました!!」
 兵士B「!! たかが洞仙ひとりを相手にか…!!」
 兵士C「まるで鼻毛神拳の使い手vsマルハーゲ帝国毛刈り隊のようだ!!
 兵士B「いや俺ハゲてないよ!?」
 僧侶A「悪かったなあボウズで!?」

 これは私見だが、たぶん洞天福国軍が勝てないのは洞仙の強さとは別の処にステキに大きな要因があると思う。ともあれこの期に及んで洞仙の脅威をグレイトに重く見た僧侶Aは、ついに自ら乗り出すことを決意する。

 僧侶A「かくなる上は私が動くしかあるまい…」
 兵士B「おお!! と云うことはついに!! 『カオス』の大ボス中で最弱との名も高い変なトリの一種:鳳凰を召喚するのですね!!
 僧侶A「そうなのか!? ではなんで私はよりによりをよってそんなもん召喚したのだ!?
 兵士B「さあ」

 まあアレだ、所詮地球防衛軍所属の博士が何の伏線もなく開発していた新兵器など大自然の驚異の前にはいつだって無力なのさ!!(←フォローになってない)ともあれ、兵士たちの期待を乗せて僧侶Aは単身、仙窟へ向かう。これでボーボボもいちころだぜ!!


 さておなじみ地中の主人公。龍穴炉にエネルギーを振り込むと、また別のダンジョンが出現した。んで中を探索すると3枚目の鏡、白虎鏡の入った宝箱を発見…したのだが、その瞬間、ずんどこ恐怖を煽るナレーションが入る!!

 ナレーション「そのとき、地上では洞天福国の切り札と云える男が動いた!!」
 主人公「切り札!? うわあ客観的であるべきナレーションがそこまで言い切るならこれはきっとミート君の投げた変な玉を取ったブロッケンJr以上に恐ろしい相手のハズ!! ここは本気で掛からねば…ッ!!」
 馬明仙「その恐ろしさの基準がよく判らないわ……っと、侵入者ね」
 僧侶A「ボンジュール!! 洞仙に今ッ愛の僧侶が引導を渡しに来たッ!!」
 主人公「あー、今俺切り札対策で心の準備に忙しいのでザコはとっとと帰ってください。ロッチのシールあげるから」
 僧侶A「フッ…舐められたものだな。本物ならまだしもそんなフェイクで私の固い意志すなわち偉大なる愛がぴくりとも動くか!! 私がズバリその切り札だ!!」
 主人公「本物ならぴくりとも動くのか!?(←そこに驚くんかい)

 そう、「切り札」などとさんざん持ち上げられて鳴り物入りで登場したのは、なんかもう顔グラフィックも名前も学校も試験も何にも無いただのザコキャラだった。しかもザコの中でもかなりの弱さを誇る僧侶。戦闘でも、うっとおしい割にさっぱり威力のない変なビィーム(バリア?)以外の取り柄は無い。関係ないがネズミ男って何故とっとと始末されないのだろう。

 で、こんな洞窟の中では鳳凰を召喚できないのか、僧侶Aは術によって主人公だけを異次元空間に引きずり込む!! テレポートする以外逃げ道のない空間で、僧侶と向き合う主人公。こんなザコ相手、一対一でも負ける気はしないが、僧侶の云うに戦うのは彼自身ではなく、鳳凰だとのこと。どうもホントの切り札は召喚術らしい。

 主人公「鳳凰だと? 何のことだ!!」
 僧侶A「フッフフ、すぐに判る!! 食らえィー!! 鳳ッ凰ッ召喚!!」

 なんか第31話でのやりとりを見てるとこの辺どうも話しが合わないのだが、きっと主人公は鳳凰について聞いたことなどすっかり忘れ、また僧侶Aも主人公に会ったことなど覚えていないのだろう。ふたりとも忘れやすそうだし。
 で、とっとと異空間からテレポートで消えた僧侶Aと入れ替わりに鳳凰が現れるがまあ例によって秒殺し、主人公も通常空間へテレポートする。自分の後を追うように帰ってきた主人公を見、僧侶Aはソレはもうマジで驚いた。

 僧侶A「馬鹿な…あの鳳凰さえも倒すと云うのか!!」
 主人公「しかもほぼ一撃でな!! ちなみに俺は思うんだが下手するとあんたの方が強いんじゃないか…? だいたいあんたの方が弱かったらクラピカの小指の鎖でもなければそうそう云うこと聞かんだろう」
 僧侶A「なんだと!? あれは私の愛が通じたのではなかったのか…!? 気付かなかった!!」


失礼ね!?



 だいたい召喚魔法など、考えてみればもしかしたら向こうで日常生活送ってあら奥さんおひさしぶりザマスねえオホホとか云ってるデーモンさんとかの都合も考えずに無理矢理召喚して使役してるのかもしれない。もっとこう相手の立場になってみようじゃあないか? んで、鳳凰破れこそすれ、このままおめおめと帰られないと戦いを挑む僧侶Aもとっとと追い返し、主人公は白虎鏡を入手。残すは1枚。

 主人公「フッ…なかなか手強いヤツだったな…」
 馬明仙「………………………そう? マジで? ホントに?」
 主人公「まあそういうことにしとけや。ともかく洞天福国もそろそろ手駒が尽きるはず。蒼幻が出てくるのも近いな」

 しかし冷静に考えると死郎は単なる通りすがりだし、明紅はフリーなので、洞天福国軍として仙窟にやって来たのはイベントによらずに侵入してくるザコ以外にはこの僧侶のみ。なんかそこらのスポーツマンガによくある、ひとりの天才が入部しただけで弱小と云われてた癖に数ヶ月で全国制覇するチームに変化しそうな程に薄い選手層である。

 さて、調子に乗って書いてたらもうこんな量になったので以下少々端折って書くと、あの時豪華客船の客室の落とし穴に落ちたと見せて実はタンスの影に身をひそめていた名探偵によって冷凍バナナ殺人事件に端を発した謎の地下モグラ帝国事件も解決、ビミョーに嘘しか書いてないがとにかくそんな難事件を乗り越えた後、主人公の前にはついに最後の鏡、玄武鏡の入った宝箱があった。

 主人公「ちなみに端折らないで書くと『次に出てきたダンジョンを探索したら宝箱を見付けた』となります。いやーこれをいかに短く判りやすく書くかに腐心しましたよ」
 馬明仙「いや…ちっとも要らない腐心じゃあ…?」

 腐心なだけにボクはもうあの頃の澄んだ心では居られないのさ!!(←自分で云うなよ)で、その時点で再び侵入者、死郎より更に田舎臭いもとい古代っぽい外見の東国の男、伊邪那岐(イザナギ)がやって来た。死郎を江戸の侍としたら伊邪那岐は古代のシャーマンである。彼の背景はこの名前の通りで、死した妻イザナミを甦らせるために流浪の旅をしている…と云う設定なのだが、それで今彼、なんでもここに死者の国に通じる鏡があると信じている様子。鏡はまああるけどそんな鏡ではないと云ってもさっぱり聞かず、結局なだれ込むように戦闘になってしまう。

 まあ負けてたら話しが進まないのであっさり伊邪那岐を倒すと、彼はめっきりおとなしくなった。それはそうとこの世界の伊邪那岐ってなんか他のシナリオと違ってビミョーに情けない気がする。ホントはもっとこう例えるなら空を掛けるひとすじの稲光のような紙一重の狂気を抱く男ってカンジ?(←どんなだ)

 伊邪那岐「…どうか、どうかあの『天舞鏡』、私に譲ってはもらえないでしょうか!? もはやこのロッチの『チ』の一部分を削って『テ』に見せかけた超レアなシールと交換ででも!!
 主人公「そんなん俺でも要らん!! いやそうじゃなくて、あのさ…ここにあるのは『玄武鏡』だよ…?」
 伊邪那岐「あぐあマジで!? うああなんと云う初歩的なボケ!! …くっ…イザナミ……イザナミよほぉおおおい…」
 主人公「……………」


 注意……このオチは筆者が考えたのではなくてマジで本編通りなのであまりそうなんと云うかクールな瞳でこちらを見ないでくださいマドモアゼル。そして本編は次回、『杞人之憂』編最終回につづく!!


ひとつマエカオスシードひとつアト

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