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第25話「因果応報・その六」


 その頃地上、洞天福兵士詰所では、洞仙対策会議が開かれていた…。

 兵士A「…と云うわけでして。死者こそないのですが、問題なのは兵士たちが再び仙窟に向かうことを恐れていることです。なんでも、恐ろしい龍が居るとかで」
 龍雷漢(りゅうらいかん)「…龍? 黒い龍ではあるまいな? あの伝承の…」
 僧侶A「私もそう思い調べたのですが、それはないようです。あと私は愛の人ではありません
 兵士A「いや誰も聞いてないし!? して、どうされます?」
 雷漢「…今回は、ワシが出よう」


 さてちび龍。急激に成長したと云え、ちゃんと言うことも聞くし、何も不安はないハズなのだが…それでもやはり、なんぼなんでもそんな短期間に身体が2倍3倍になるなどウルトラなメンやイタリア系配管工ヒゲブラザーズのようなちと異常な生命体でもなければあり得ない。
 で、不安なら図書館で調べてみたら? と云うさくらの提案に、じゃあとばかりにふたりでやってきました洞天福国立図書館…って、洞仙はゴムゴム海賊並の高額賞金首なのにひょいひょい街に出て大丈夫かと思われるかも知れないが、どうも街の人は「洞仙=モグラの一種。主に中国に棲息し、大地を枯らす。たまに地震を起こす」とでも思ってるのか「地上に居るはずはない」と云う先入観がある様子。兵士や明紅(めいほん)に会ってさえ気付かれない。

 さて、図書館に入ると懐かしい顔が待っていた。時に何の気なしに書いたがホントに「顔が待って」たら怖い。懐かしい顔だけがただそこに待っていて扉を開けると同時にチャオダーリン★とか云ってきたら筆者などなんかもう再会の喜びに腰も抜けるだろう。
 そこに居たのは主人公の師匠、三界老師(さんかいろうし)だった。老師は2年前、黒い龍との戦いで一撃で倒されたけど死なないまま石とされたがなんか何時の間にか黒い龍は消えてて先に気付いた主人公が「この老師にとてもよく似た石像は何だろう?」と云うもう男塾の虎丸並に説明的な台詞と同時につい攻撃しかけて破壊されかけたショックで?石化が解けたりといろいろあったけど私は元気です。

 主人公「なんか説明だけ聞くとえらい特殊な生物だな…とにかくこんちゃーっス老師!!」
 三界老師「わしを呼ぶのはどなたかのう…おおお?」
 主人公「実は43年間一日も忘れることなくずっと思い続けてきた生き別れの父です!!
 三界老師「おおそうじゃったそうじゃった!! はじめまして!!
 主人公「って信じるんかい!? だいたい弟子の顔忘れんといてくださいよ!?」

 いつものことである。で、さくらの自己紹介を経、話題は先だって洞天福(桃源郷)で見付けた知恵の種のことに及んだ。知恵の種、カオスシード。神仙界の桃の種…老師の云うにいろいろ使い道はあったらしいのだが、ちび龍に食べさせてしまったものはしょうがない。

 三界老師「勿体ないのう。しかし神仙界に桃源郷か…何もかもが懐かしい」
 主人公「それで、ちび龍を育ててたら、なんか桃源郷の遺跡で王蒼幻(わんそうげん)って術者にそんなんダメよ?と警告されたんですよ」
 三界老師「蒼幻じゃと!? あやつか…あやつとは、関わりになるな」
 主人公「は? はあ…」

 どうも老師と蒼幻は旧知の間柄らしいが、なんか老師はあまり彼には関わりたくない様子で、奴の話など聞きたくないわと話題を変える。

 三界老師「しかし蒼幻…桃源郷…そしてカオスシード…ドアドア…アップルタウン物語…り…り……りで始まるファミコンのゲーム何かあるか?…もとい、なんの話しじゃったかのう。そうそうその龍じゃが、よもやあの黒い龍ではあるまいな?」
 主人公「り…り……リサの妖精伝説!!…え? ああ龍っすね。そういやなんかあの龍に似てなくもないような…でも色が違いますよ」
 さくら「金色の龍なんです」
 老師「金色とな…確かに珍しい。つ…つるピカハゲ丸」

 る…ルート16ターボ…このようにファミコンしりとりでは「り」や「つ」や「る」はそんな多くないので狙い目だ!!…いやもとい、老師の云うに、桃源郷を滅ぼしたのもまた黒い龍だと云う。蒼幻とも何か関わりがある様子なのだが、それについては老師の口からは語られなかった(この辺はゲーム内でも語られないので推測しかできません)。ぼ…ボコスカウォーズ(←しつこい)。

 で、ある程度話を聞き、老師はこれからまた旅立つとのこと。なんでも西方にすごい仙宝(いわゆるマジックアイテム)があり、それを探しに行くのだと云う。この辺はかなりあとになるが、シナリオ9「八面鏡」の発端につながる伏線である。「蒼幻とは関わりになるな」と再三言い残し、老師は去っていった。


 さくら「老師って…怪物ランドの王子様より愉快痛快な人だったわね…」
 主人公「いや…正直に言ってくれて良いんだよおのれあのクソジジィしょっちゅう弟子の顔忘れやがってとか
 さくら「それはズバリあなたが今まさに思ってることじゃないの!? とにかく、本を探しましょう。桃源郷のことと、カオスシードのことね」

 で、調べたことには、ここ洞天福国の地下遺跡、桃源郷は、老師の云っていたように4000年も昔に黒い龍によって滅ぼされたのだと云う。それはまあ昔話なのだが、主人公の目を引いたのは別のページだった。桃源郷を滅ぼしたのとはまた別の黒い龍の挿し絵が描かれているのだが、彼にはソレに見覚えがあった。そう、あの龍だ。

 主人公「この龍…ッ!! 俺2年前にコイツに襲われたんだよ!! もう間違いないッ!!」
 さくら「え? でもこの龍は千年も前に洞天福で大暴れしたって云う龍よ? 同じ種類なのかしら…?」
 主人公「うーん…そういやあのときの黒い龍って結局なんで居なくなったんだろう…?」

 千年。どっかで聞いたようなキーワードが、主人公の胸を揺する。2年前のこと=「あるはずのない未来から戻ってきた主人公が黒い龍を倒し、ゆえに居るはずのない彼は消えた」と云う事実を知る者は、この世界には居ない(この辺は第5話第19話参照)ので、黒い龍の行方についても誰にも判らないのだ。判るのは「何時の間にか消えていた」と云うことだけ。ちなみに「ず」で始まるファミコンソフトはたぶん「頭脳戦艦ガル」だけだが「ず」で終わる方はかなり多いので、それを連続させれば確実に勝てるだろう!! 健闘を祈る!!(←何処に)
 しかしこの男、挿し絵でそこまで断定できるのはいったいなにか、額に肉とか首筋に★とか眼球にバーコードとかの特殊な目印でも付いていたと云うのか。


いやもう絶対!!



 でもってカオスシードについては、また別の本に書いてあった。ソレは「願いを叶える力を持つが、そのためには大きな代償を払うことになるだろう」…と。ただ、この本自体がトンデモな本で、「双龍列波」(部屋の風水量を倍増できる超便利アイテム)について「手にすると死に至る邪悪な道具」とか書いてある程。どこまでホントかは判らない。きっと東の国は家も道路も「金」で始まる名の納豆の商品ロゴも黄金で出来てる上、人間は身体に金粉塗りたくって皮膚呼吸が出来ないとこを忍術で克服する超ステキな国さ!!

 さて仙窟に戻ってしばらくすると、久々にやってきました侵入者。今度は洞天福将軍、龍雷漢だった!! 今回の冒頭に書かれてるように大物である!!…が、案の定侵入者迎撃用の25レベル仙獣パーティーにあっさり返り討ちにされ、ほうほうの体で主人公たちの居る龍穴炉に辿り着く。

 兵士A「あれです、将軍!!」
 さくら「将軍って…ヘンリー(主人公)!! あの人雷漢将軍よ!!」
 雷漢「ヘンリーだと…? その名、何処かで聞いたことが……実は全く無いな!! はっはっはここの展開どうしたものかな!!
 兵士A「いやソレ言ったら話しが進みませんがな!? 第4話で東天転を倒した洞仙です」

 いやホントは「名前に心当たりがある」→「天転を倒した洞仙」ってコンボだったのだが…ジョニー&ヘンリーネタのせいでこんなんです。まあ雷漢もそんなに強くないのであっさり倒す。

 主人公「どんなもんだ!!」
 雷漢「なるほど、天転を倒すだけのことはあるな…!? なっ!?」

 潔く負けを認め、とりあえず刀を納めた雷漢にとって、それは全くの不意打ちだった。勝負は決したと云うに、ちび龍は戦いを止めなかったのだ!! そして、雷漢は防御も出来ずににちび龍に弾き飛ばされる!! 以下次回!!


ひとつマエカオスシードひとつアト

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