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第22話「因果応報・その三」


 さて場面変わってこちら仙窟。ちび龍の食事についてはやはり陽気の結晶&仙丹で問題なかったので、あとはいつものようにまにょまにょと仙窟を育てていると(←いつもなのか)、例によって侵入者がやってくる。そういえばここまではめんどくさかったので、侵入者についてはシナリオ侵入者(天転とか雷漢とか)のことのみ言及していたのだが、実は彼らはいわばボスキャラである。この他にもザコキャラがわらわら侵入してくるのだ。

 で、今日も今日とてザコを片付ける…が、そのザコに隠れるように残っていた気配を、主人公は見逃さなかった。

 主人公「!! まだ誰か居るな!?」
 さくら「……えへ、来ちゃった」

 その気配はなんと、飛天石から飛んできたさくらであった。しかし主人公、普段は悪意や殺気以外の気配にはさっぱり反応鈍いのに何故気付けたんだろう。もしやさくらさん、主人公を驚かせる目的で遠くからクククと弓矢の狙い定めてたとでも云うのか。
 まあ来てしまったものは仕方ないので、とりあえず安全な龍穴炉で待たせておくことにするが、さくらはやはり仙窟に連れて行って欲しいらしい。

 さくら「ねえ…回復の仙術だけでも使えるようにならないかしら?」
 主人公「使えるようになったら絶対仙窟についてくるでしょ? そうすると(ちび龍も居るため)メンバー枠の空きが残り1になってボクお気に入りの姉御(馬明仙。必要空き容量2)連れていけなくなるからすっごいダメダメ!!
 さくら「問題はそんなことなの!? ぶーいいもん、もう自分で覚えるから」


わあ便利だね!!



 しかし、主人公は重大なことを忘れていた。そう、いくら安全な龍穴炉だって、数ターン放っておくとぼんぼん邪精(モンスター)がわいて出てきてこんにちは野生の王国となるのだ(第16話参照)。そう、およそこの世の中に絶対安全はない。君だって経験があるだろう、例えば冷蔵庫の奥深くに眠っていた微妙な色合いのナマモノのパックをつい開けてしまい辺り一面が毒ガス危険地域に指定されたことが!!(←ただの不注意です)ともあれあにはからんや、次に龍穴炉に戻ったとき! さくらは邪精に囲まれていた!!

 主人公「!! さくら!!」
 さくら「ううう…私いったい何度邪精に襲われたら気が済むんだろう…
 主人公「余裕だなオイ!?

 まあ邪精など、一般人にとってはともかく主人公にとってはザコでしかないのであっさり片付け、怪我をしたさくらを連れ一旦家に帰ることに。大事には至らなかったが、とりあえず数日は休ませた方がいい…というわけで、しばらく看病モードである。

 さくら「でも…仙窟、放っておいて大丈夫なの?」
 主人公「大丈夫!! 何日休んでもゲーム上は仙窟に戻れば中断した時点から再開されるから!!」
 さくら「そうなの!?」

 そうなのだが、ソレ云うとなんか何時までも同じ場所で戦い続けていて勇者が来た途端死んだ上ザオリクも掛けてもらえないオルテガさんの切ない人生のようでアレなのか、本編では「今回は仙窟設計が完璧だったからね!!」と云うことになっている。
 で、この辺いちいち書いてると長くなるので端折るが、主人公の作る看病食…と称する凄まじいブツにかえってさくらストレス溜まって非行に走ってパパの評価が下がりそうな状況であった…。

 さくら「まあともかく、それで、元気になったらお願いがあるの」
 主人公「ああ、元気になったらなんだって聞いたげるさ!! だから早く良くなれよ!!」

 この安請け合い、さくらを元気づけるためのものなのだろうが、あとで散々なことになる。でまあ、数日が過ぎ、さくらの具合も良くなってきたので、主人公とちび龍は彼女を置いて龍穴炉に戻った…が。

 主人公「…妙だな。お前も何か感じるか?」
 ちび龍「がう…」

 微妙な違和感の答えはすぐに出る。龍穴炉にエネルギーを振り込むと、また邪精が現れたのだ!! 所詮ザコ、あっさり倒せると云え、あまりに頻繁にすぎる。これはどこかに邪精の巣でもあるのかと思いつつ仙窟管理に戻ると、ちび龍の感じた気配の先に地下迷宮が出現した!! そして迷宮を先へ進むと、後を追うように侵入者が現れる!! 今回が初登場の女拳闘家、公明紅(こうめいほん)!!

 明紅「ふん…ようやく見付けたよ洞仙!! 父の仇、覚悟!!」
 主人公「ちょっちょちょっと待てよ!? 俺記憶にないよ!? 当社はみなさまに愛され半世紀、倒したザコはちゃんと街の宿屋に転送されるのでアフターサービスも万全です!!

 これはホント。立場こそ逆だが、ドラクエで全滅した勇者が王様の前や教会に復活するようなカンジで、仙窟で倒されたザコ(自称勇者)は何故か街の宿屋に送られるのだ。実は洞仙と宿の主人はグルなのか。

 明紅「誰もあんたに殺されたとは言ってないわよ!! 仇が洞仙の誰だか判んないから片っ端から洞仙を倒してるのよ!!」
 主人公「そっそんな無茶な!? その理屈だとじゃあ冷凍バナナを武器とする謎の暗殺者に父上を殺されたら君はッ! 世界中の冷凍バナナ使いを倒すと云うのかァッ!?
 明紅「そっそんなのが何人も居るの!?

 居るとも!! ほらここにユタ州在住のピーター(52)の何故か東北弁に吹き替えられた目撃証言VTRもある!!(お見せできないのが残念です)「おら確かに見ただよ。あれはそう忘れもしない2分前(←忘れる方が大変だろう)おらん家の畑さ横切ってった燕尾服にシルクハットのイギリス紳士が確かに凍ったバナナ持ってただよ!!」と……まあそんなんはどうでもいいので(←ここまで引っ張った癖にオチが思いつかなかったらしい)話しを先に進めよう。拳闘家の明紅は仙術を一切使わないのでそんな強敵でもなかった。で、あっさり追い返し、ダンジョンを先へ進むと案の定邪精が巣くっていたので掃除する…と、戦利品に「開封の宝珠」と云う、いかにもなイベントアイテムを入手し、これで問題なしと仙窟に戻ろうとしたとき、人影がこちらへと歩いてきた。

 主人公「さくら!! また来たのか!!」
 さくら「うん!! 今度は仙窟作り、手伝っていいでしょ? 治ったらなんでも聞いてくれるって言ったよね」
 主人公「ぐっ…仕方ない、じゃあまずは基礎的な仙術から…」
 さくら「あと、あなたの名前決めるの!! ジョニーが偽名でホントの名前ないんだったらとりあえずヘンリッヒ・ハマーシュタインでいいでしょ? 略称はヘンリー!!」
 主人公「へぶあー!! そんな筆者が勝手に作った伏線を今更!? やっぱゲレゲレもこんな気持ちだったのかなあ…なあフランソワ(註:ちび龍の名)どう思う
 ちび龍「ぐげげ」

 この辺の伏線は第8話第11話を参照。で、主人公とさくらは一緒に仙窟を作ることになる。変わりに先刻までパーティーに入れてた馬明仙を外すハメに。

 さくら「ウフフフさあ仙窟作りましょう!! やっぱり基本はレベル25仙獣パーティーがにょきにょき行軍して侵入者も瞬殺するステキなルネサンス様式の仙窟よね!! カーテンはもちろんピンクのフリルで!!(第17話参照…?)」
 主人公「ぬう…確かにそのステキな発想は俺には無理だ…負けたぜ?」

 そうなのか。ともあれいよいよ次回、神秘の扉は開かれる……つづく。


ひとつマエカオスシードひとつアト

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