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第19話「封印の門・その五」


 龍穴炉にエネルギーは満たされた…のだが、大地は甦らない。水の部屋神の云うには、封印の扉の向こうの何者かが大地の陽気を奪っているとのこと。陽気満つる今ならば「解封呪」を使えるため、どんな封印でも開ける分には問題にもならないのだが、問題は封印の向こうがどうなっているのかさっぱり判らないことである。しかもマジな話しこの封印の扉、ここまでの分岐によって中身が変わるため、ホントに冥界に通じてたり時空の果てに飛ばされたり感動のご対面コーナーだったりコーヤコーヤ星でスーパーマンになったりできるのだ!!(←できません)

 で、その封印の扉の前に着くと、待ちかねたように伊邪那岐(いざなぎ)が促す。

 伊邪那岐「いよいよ、封印が破られるのですね!! さあ張り切ってどうぞ!!」
 主人公「よし!! …玉皇伊邪那岐「で、封印が解けたら頼みがあるのです!!」
 主人公「いやそんな早く割り込むなら呪文始める前に言えよ!? て云うかせめてカッコで閉じて改行してから割り込んでくれ!? 筆者のミスだと思われるじゃないか!! んで、頼みって何?」
 伊邪那岐「封印の向こう側、冥界へは私ひとりで行かねばならないのです。訳はズバリ言えません!!」
 主人公「理由言えないならダメだね!! とにかく封印を解くのが…!? 何をッ!?」

 断ると、伊邪那岐はいきなり邪精を召喚し、主人公に襲いかかってくる。ちなみに邪精とは要するにザコモンスターで(たいていキョンシー)、伊邪那岐の他玲蘭や蒼幻と、なんかどうも友達少ないんじゃねーか君ィ?と思われる人に限って召喚するので、やっぱこのゲームのキョンシーって可愛い可愛い★とペット感覚で連れてるのだろう。いやしかしキョンシー可愛いと思う人って今のとこ誰も賛同者いないのは何故だろう。きっと顔色が悪くて目に光が無くて無表情なステキな女の子さ!?(←ステキだよね…?)

 まあともかくあっさり倒された伊邪那岐は無念の言葉を残して消える。このシーン、よく判らないけど死んだん…? 逃げたとも取れるので…まあ生きているとしても、今はただ都会の闇に体を溶かして背中で泣いてる男の美学、そっとしておこう。


 さて、さんざ引っ張ってようやく開いた封印の扉の中は、意外にも狭い部屋が一間あるだけだった。なんかもう既にぜんぜん冥界じゃないあたり伊邪那岐哀れすぎる…。その狭い部屋の中、奥の壁に同化するように機械が在る…いや、居る。

 機械「待っていましたよ…私は『時の監視者』」

 機械、時の監視者(第12話で大聖樹が云ってたヤツ)の説明によると、主人公をこの地に呼び寄せたのも、ニセ部屋神も彼で、更には「天封呪」で封じられた者が元の世界に帰るための術すら知っていると云う。

 時の監視者「その術の名は『時封呪』。時を遡り、因果の起点を断ち切ることのできる術です」
 主人公「時を遡る…そんな便利なことができるのか?」
 時の監視者「大量の陽気と時の潮の力があれば」

 つまり、この仙窟から陽気(大地のエネルギー)を奪っていたのも、この時の監視者だったのだ。しかし、それは主人公を元の世界に帰し、ひいてはこの時空を守るため。そう云われては主人公も納得するしかない。主人公さえ帰せば、3年前主人公がこの世界に来たことによって目覚めた時の監視者はまた眠りにつくので、大地は問題なく復活するだろうとのこと。

 時の監視者「あなたがここに来ることになった『天封呪』…その因果の起点に、私が『時封呪』で送り帰します」
 主人公「因果の起点…あの黒い龍か!!」
 さくら「龍…」
 時の監視者「それを除くことができれば、全ては正常に戻ります」

 そう、「天封呪」を掛けられる前に黒い龍を倒せば、そこから先の、平行世界での3年は存在しなくなる。

 主人公「でもそれってあれだろ、過去の世界に中古ネコ型ロボットを送り込んでのび太がジャイ子でなくしずかちゃんと結婚するように歴史を改竄して自分が幸せになろうと云う時間犯罪者セワシのような理屈!! そんなことしたら怖いよタイムパトロールのリームが来るよ!?
 時の監視者「いやむしろ私がタイムパトロールなんですが」

 まあ時の監視者は乱れた時空を修正する役割を持ってるってことなのでまんまタイムパトロールであろう。この誘いに乗らない手はない…が。そこまで黙って聞いていたさくらが、主人公を止める。

 さくら「でも…あなたが元の世界に帰ったら…私はどうなるの…?」
 主人公「それは…でも、俺は老師を助けないと…」

 主人公だって辛い。けれど、ここで「さくらの元に残る」ことを選択する彼は、もうさくらの望む彼ではないのだ。それだからさくらは、彼と離れたくない。そんな辛いシーンは、時の監視者の発した雷光によって壊された!! 光がさくらを薙ぎ払う!!

 さくら「っ!? …わ、私は大…丈夫よ」
 主人公「くそう!! 何をしやがるてめえ!! ぶっ壊してやる!!」
 時の監視者「怒りの感情が『時封呪』の封を解くのです」

 今度は、主人公を薙ぎ払う雷光。そして、動く者が居なくなった小部屋で、時の監視者だけが言葉を紡ぎ続ける。

 時の監視者「これもあなたのためなのです。時の障壁に負けぬように。因果の彼方へ……『時封呪』」


 注意……「時の障壁」ってのは時空移動の最中に出るボスキャラのことなんですが、今回は飛ばしました。で、以下は第5話と併せてお読みくださるとよりいっそう理解が深まるかもしれません。

 そして、「あの場所」…天挑五輪大武會の会場にあったとしたらきっと誰か落ちて死んだと見せかけて実は生きていそうな溶岩の池に囲まれたあそこ(←またコピーかい)へと向けて時の流れを遡り…。


 元の世界の主人公(以下ジョニー)「…うう…老…師…がくっ」
 黒い龍「フフ…異世界に封じてやるさ。バラバラにしてね…天の陽気よ。地の陰気よ。我に集まりて力と……ッ!? 何だ!?」
 このシナリオでの主人公(以下ヘンリー)「ここは…元の世界?」
 黒い龍「いやフツーこういうときはもっとこうカッコいい登場の仕方をするもんだろ!? 赤い風車がぷすりと手に刺さってわあステキなプレゼントありがとうとか!!
 ヘンリー「そっそうかついマジボケしちまったぜ!? ようし…ええとどこから始めようか。じゃあ君もう一度『お主も悪よのう』のシーンから!!
 黒い龍「そんなシーンあったか!? しかし…戻ってくるとはね。『時封呪』か…」
 ヘンリー「…決着をつけよう。ここからは最近のゲームの重要シーンによくある3Dムービーでお送りします!! わあいなんてハイテクニックだ!?」


注意:このブラウザはアニメーションPSG(ポチョムキン・スペシャル・グレード)に対応してないのでこの画像見れません。ホントに描いたんですよ?



 黒い龍「って云うか手抜きじゃん!? そんなステキネーミングな規格なんて世界中何処探したって存在してないよ!?
 ヘンリー「まあアレだ、ここはこう見えて過剰な暴力表現が青少年に悪影響与えて公園でかめはめ波やキン肉バスターやペガサス流星拳の練習をするようになるのを未然に防ごうと云う社会派サイトだしな!! そう過激な表現を無制限に見せるわけにはいかないのよ★」
 筆者「いやーはっはっは、実はこの手抜きネタを最も効果的に使えるタイミングをずっと考えてたんですよ
 ヘンリー「誰あんた!?」

 そして、上のムービーを見ても判るように(←見れません)かつてない超絶な時間無制限一本勝負の果てに軍配は主人公に上がった!! しかし、倒れてもなお黒い龍は主人公に屈服しない。まるで未来を知っているかのように。

 ヘンリー「積年の恨み、思い知ったか?」
 黒い龍「積年だと? クク…積年か。だが…ね。ボクがここで居なくなっても…全ては…くりかえす…。わかる…かい?」

 それが、黒い龍の最期の言葉だった。そのまま、龍は消える。

 ヘンリー「これで、元通り。さてと、老師を助け……? なんだッ!? 体が動かない…!?」

 彼は知らなかった。黒い龍が斃れ、因果の起点が消滅し、「天封呪」で飛ばされたと云う事実がなくなった今、平行世界の彼は「最初から存在しなかったことになる」ことを。さもなければこの世界に主人公がふたり居ることになってもう危険度倍にして12レベルである!! そして。


 ヘンリー「俺また危険度レベル上がったのか!? あと『冷凍バナナ殺人事件』の解決編はいったい!?(←そんなん最初からありません)…くそう…さくら!!」

 そして、彼は消えた。


 後にはこの世界の彼と、三界老師だけが残された。で、当然この世界の彼にはこれからバカンスだぜヘイヘーイと行く予定だった平行世界の記憶はない。つまりジョニー(仮)にとっては「黒い龍に倒されたが、何時の間にかその龍は消えていた」…それだけの話しでしかない。要するに第5話後半〜第19話前半まで書いたの全部「なかったこと」になっちゃったんですよちくしょう!?(←解説文に私情を挟まないように)ただし、たまごが『時天封』で飛ばされたと云う事実は揺るがない。なんか矛盾在るような気もするが、アレは平行世界を越えたレベルの話しだからキャンセルされないってことであろう。

 ジョニー「う…ん? あれ? 黒い龍が居ない…? これは…『時封呪』? この術はなんだろう。聞いたことがないけど…」

 そこにぽつんと落ちていた、「時封呪」の巻物…これ「落ちてる」ってのもなんかヘンなのだが、まあボクはここに居ても良くなかったんだ!?と云うヘンリーの最期の自己主張であろう。ザ・グッバイ。


 そして全ては正常に戻り、主人公はまた新たな地へと旅立つ。手に入れた「時封呪」の意味も知らないままに、真の因果の起点へと向かって。


 …終わり。次回からは最重要シナリオ「因果応報」です。


ひとつマエカオスシードひとつアト

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