トップ更新履歴リンク

第17話「封印の門・その三」


 主人公「まあ洞仙の仕事ってのは要するに大地の医者ってとこさ。大地が衰えるのには必ず原因がある。その原因を取り除いた上で、仙窟を作って集めたエネルギーで大地を復活させる…ってわけだ」
 シャスタ「んー…で、なんでそんなことやってるの?
 主人公「………………そういやなんでだろう

 まあ尊い使命と云うヤツであろう。で、前回終わりに出てきた玲蘭(れいらん)が侵入してきたのはそんな時だった。彼女の説明によると、洞仙に掛けられた賞金は普通の妖怪やこそ泥夜盗の数百倍で、しかも必要経費も請求できて課税無しだそうである!!

 玲蘭「それだけあんたたちが嫌われてるってことね。まあ大地を滅ぼしちゃうんだから当たり前よね★」
 シャスタ「…本当のことを説明しないの?」
 主人公「フッ、君は知らないと思うがこの手の連中に説明したってどうせ聞く耳持たないから無駄…」
 玲蘭「しかも40.3メートルまで巨大化したり目から青白いビーム出したり22本の触手が自在に再生したりするそうだし!!(←続NASAの新技術で誤解がいやな方向にリアルに!!)
 シャスタ「………本当のことを説明しないの?」
 主人公「………気が合いますねシャスタさん

 …実力行使で判ってもらいました。


 で、玲蘭を追い返し、ある程度のエネルギーを振り込むと、水の部屋神が出現。彼女の云うに(大地が甦りつつあるので)封印の効力が弱まってるそうである。ならばと再びやってきました封印の扉。確かに前見たときより封印は弱まっていて、例えるなら某社のペットボトルの蓋と某社のペットボトルの蓋くらいの差は軽くある(←ソレは例えてるのか)。ぽこんと殴るともう開いた。
 そして封印の中は小さな部屋で、入ってきた扉の他、ふたつの扉が更に奥へと続いていた。そしてその片隅に、女の子をかたどった石像が寂しげに立っている…。

 主人公「…この子…どっかで見たような」
 シャスタ「そうなの? ん…ただの彫刻には思えないわね。石化の魔法掛けられた人間ってとこかな?」

 と、シャスタが石化解除の術を掛けるが、石化は解けなかった。シャスタの曰く、(もし単なる石像でないとしたら)特殊な封印が掛けられているという。

 主人公「特殊な封印…? やっぱ解くためにはストロスの杖に加え隠し階段から行ける地下深くのダンジョンに待つ悪の教祖を倒す必要が!?
 シャスタ「何でそこまで特殊!? まあたぶんそのへんに術を守る封印でもあるんじゃない?」
 主人公「封印ねえ…ようしもう少しだけ待っててくれビアンカ!!」
 シャスタ「フローラ派の立場は!?」

 そんなわけで石像はとりあえず置いたまま別の扉を開けると、壁面に埋め込まれるように幾つか封印らしきプレートがあったので、ぽかぽか破壊しつつ更に奥へ進む。その先には、また巨大な扉が待っていた。そして、人間がひとり。

 伊邪那岐(いざなぎ)「遅かったですね」
 主人公「もう着いてたのか伊邪那岐。で、先に進んでないってことは、その扉も封印されてるのか」
 伊邪那岐「ええ。やはり私の力では開かないようです」

 そんなところに水の部屋神が現れて云うに、この先に大地のエネルギーが流れ込んでいるのだが、封印が強力なので今度こそ「解封呪」(あらゆる封印を開ける洞仙の必殺技。ただし使うには龍穴炉にエネルギーを満たす必要がある)が必要になるとのことである。ならばと再び仙窟作りを続けることに。伊邪那岐はここで待っているらしい。

 さて最初の部屋に戻り、石像にシャスタがもう一度石化解除の呪文を掛けると、今度は本当に石化が解けた。そしてその女の子…そう、元の世界で一度だけ出会った彼女はすぐに元気になり、さくらと名乗る。なんでも彼女、ここに来る直前までずっと主人公と一緒に仙窟を作っていたのだと云う…が、主人公にそんな記憶はない。

 主人公「君と一緒に仙窟を作ったことなんてないって!!」
 さくら「作ったもん!! レベル25仙獣パーティーがにょきにょき行軍して侵入者も瞬殺するステキなルネサンス様式の仙窟!! カーテンはピンクのフリル!!
 主人公「確かに超ステキだ!?(←そうか…?)けどそう言われてもなあ…俺はそもこの世界の存在じゃないんだ」

 さて平行世界編はこのシナリオが最後なので改めてここで話しを整理すると、主人公の物語は、3年前(『最初の仙窟』…洞仙日記第3話)さくらと出会ったすぐ後に黒い龍の「天封呪」(相手の分身を無数に生じさせ、それぞれを異なった平行世界に飛ばす、嫌がらせ以外の何でもない術)でこの世界に飛ばされて来て、それからずっと「天封呪」を破って元の世界に帰る方法を探しつつ修行中…と云う流れになる。これは他の平行世界でも同じである。
 つまり、元の世界であれ、この世界であれ、主人公は「その2年後(つまり今から1年前)にさくらと再会した」ハズはないのだ。なぜなら、元の世界で会おうにもそもそもそこに彼は居ないし、こっちの世界で再会して仙窟作ったのならなんぼなんでも「覚えてない」わけがない。これが老師なら有り得すぎてちっともミステリーじゃないのだが。


この弟子にして此の師匠。



 このふたり別に血はつながっていないのだが、なんかいちばん納得できる答えである。なお、この辺のさくらとの記憶の矛盾については「仙獣のたまご」…第8話、「大地の樹」…第11話もご参照あれ。で、ならば他にあり得る可能性はと云うと。

 主人公「こっちの世界にもうひとり俺が居て、その俺と一緒に仙窟を作っていた…ってことなら、つじつまは合うよ? 俺の知らない老師だって居たしさ」
 さくら「えっ!? そんなんふたりも居たら危険度倍にして10レベルよ!?
 主人公「何時の間に俺ひとりで5レベル!?
 シャスタ「えーと…そもそも、ふたりはどうして知り合ったの?」
 主人公「ああ、元の世界での話しだけど、3年前に洞天福の山中で怪我してたさくらを…」
 さくら「『ハイハニー、ミーの特製回復功でこんな怪我などメルヘンの世界に飛んで行くさ!!』『ウフフありがとうお礼に踊りましょう★ ラララランランランランラー♪』と助けてくれたんだけど、その後窟子仙を妖怪だと思って『きゃっ★ なんて恐ろしいの!?』って逃げ出したのよね私? ほらやっぱり私たち会ってるのよ!!」
 主人公「確実に人違いです!! て云うか君の記憶はどういう仕組みなんだ!!

 そう、ここである。実際のゲームでもシャスタが上手いことまとめてくれてるので、そのまま会話を続けるが、ここが重要なのだ。

 シャスタ「んー…ふたりの話しを聞いてるとやっぱり何か矛盾があるわね。ふたりは3年前に洞天福の山中で出会った共通の記憶を持っているけど、その2年後に再会できたハズはない…ドキドキするほどミステリーね? これを解く鍵は…はっもしやここで冷凍バナナの伏線の謎が明らかに!?(←なりません)
 主人公「いや…さっきの話し聞いてて既に『共通の記憶』ってとこが怪しくないか…?」

 まあつまり。さくらもその記憶を持っていると云うことは、彼女もまた「そのときそこに居て、今ここに居る」ことになるのである。そんなのは偶然かなんかでない限り『天封呪』(or『時天封』)以外にはあり得ない…と云う事実に、今は誰も気付かなかった。さくら自身、自分がどうしてここに居るのかは記憶がないらしい。


 シャスタ「でも、どうやってこんなとこに来たの? ここはさっきまで封印されてたのよ? あとなんで石になってたの?」
 さくら「判らないの…。最後に居た場所は…覚えてるのは、溶岩…そう、天桃五輪大武會の会場にあったとしたらきっと誰か落ちて死んだと見せかけて実は生きていそうな溶岩の池に囲まれた場所…
 主人公「なんか第5話のコピーなのが実に気になる説明だな…」
 さくら「そこに、ヘンリー(註:主人公)と私と………もうひとり。もうひとり…誰だったのかしら」

 そのひとりが、どうしても思い出せないと云う。ちなみに何故&どうやってここに来たのかは次のシナリオ「因果応報」で判る。石になってた理由は本編でも語られないのだが、このシナリオでの「時の監視者」の台詞から推測できるので、その際に。

 ともあれさくらを仲間に加え、次の封印を解くために仙窟育成再開…ってとこで、つづく。


ひとつマエカオスシードひとつアト

トップ更新履歴リンク
inserted by FC2 system